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自動車産業インフォメーション

2020年7月28日

国交省「ラストワンマイル」に適した自動運転車 初ガイドライン

国土交通省は、最終目的地までの〝ワンマイル〟程度の範囲内での移動をつなぐ「ラストワンマイル」に適した自動運転車両システムのガイドラインを初めて策定した。

歩行者の安全確保はもちろん車内事故の防止などにも留意し、乗客が操作できる運行停止ボタンを設けたり、自動運転状態を周囲に伝える表示機能などの装着を推奨する。

国交省では自動車メーカーや部品メーカーなどにガイドラインを周知し、今後開発される車両の設計に取り入れるよう働きかける。また、各種項目をあえて車両開発上の絶対条件としなかったことで、新たなイノベーションの創出につながる環境づくりにも役立てる。

ラストワンマイルの使用環境に特化した新たなガイドラインは、産学官の関係者で構成している「先進安全自動車(ASV)推進検討会」で検討してきた。

ラストワンマイルの移動は最寄りの駅やバス停から自宅までなど、生活道路を走行するケースが中心になると想定される。

自動運転車両は歩行者など交通弱者と共存して走行する場面が多いとみられることから、乗員や乗客が危険を察知した場合にすぐにシステムを停止できる手段が必要と判断した。

自動走行中の制動時も乗員のけがにつながらないような制御になるよう配慮を求めている。

また、車両の走行時速は30㌔㍍以下を推奨する。これは多くの生活道路の速度制限がこの水準までになっているためで、こうした環境に適した新たなモビリティの実用化を後押ししたい考え。

国交省では今後、メーカー側や利用者などから、さまざまなニーズを収集していく方針。さらに、技術進化の動向なども配慮し、最新状況を反映したガイドラインの改定も行っていく計画だ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞7月25日掲載