会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2020年7月10日

未来投資会議が成長戦略実行計画案 サポカー普及も

政府は3日開催した未来投資会議(議長=安倍晋三首相)で、「成長戦略実行計画案」をまとめた。柱の一つである「デジタル市場への対応」では人工知能(AI)を活用した完成検査の将来的な実用化に向けた方向性を盛り込んだ。自動運転技術に加え、日本のものづくり強化に欠かせない次世代通信システムでも世界をリードできる基盤づくりにも取り組む。

同案は今後、与党での議論や調整に入る。政府は今月中旬の閣議決定を目指す方針。来年度の予算編成に生かされる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2020」にも取り入れられる見通しだ。

今回の計画案はデジタルに加え、「新しい働き方」「決済インフラの見直し及びキャッシュレスの環境整備」「オープン・イノベーションの推進」が大きな柱となっている。

モビリティ分野では、現在進めているAIによる完成検査試験を20年度末に完了。効果を検証し、完成検査員によるものと同等以上の品質や安全性が担保できるか確認できれば、検査員を前提とした従来規制の見直しに着手する考え。

また、3月にスタートした安全運転サポート車(サポカー)を対象にした補助金を活用し、年度内に100万台のサポカー導入を目指す方針も示した。さらに、自家用有償旅客運送制度の創設で地域の移動の足を充実させる計画だ。

一方、政府は未来投資会議の機能強化も決定した。これまでより幅広い分野から有識者などのメンバーを集め、新型コロナウイルス感染症を踏まえた新たな将来の成長ビジョンを描く場として役立てていく。拡大版ともいえる同会議は7月下旬にも召集する計画。

これまでの未来投資会議は夏までに同計画案をまとめ、秋以降に新たなサイクルに入るのが通常だった。間髪入れずに、次のタームに移行するのは極めて異例で、長期化の様相を呈してきた新型コロナに対する政府の危機感を裏付けた格好だ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月6日掲載