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自動車産業インフォメーション

2020年7月3日

損保ジャパン サイバーセキュリティー対策を支援

損害保険ジャパンとSOMPOリスクマネジメント(桜井淳一社長、東京都新宿区)は自動車メーカー、サプライチェーンのサイバーリスクに対する支援を行う。リスク評価サービス「パノレイズ」とフィッシング詐欺対策サービス「アイアンスケールズ」を期間限定でトライアルとして提供し、セキュリティー対策の重要性を普及する。

自動車業界においても、サイバーリスクは増加傾向にある。近年では、メーカーの研究結果がネット上に公開され大規模リコールに発展したケースや、販売店が不正アクセスを受けて個人情報が流出するなど、業務を妨げる要因となっている。

加えて、コロナ禍をきっかけに通信技術を活用したテレワークなどの働き方が加速。サイバー攻撃への備えは、経営課題として重要性が高まっている。

これらを踏まえ、日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)と日本自動車部品工業会(部工会、尾堂真一会長)は3月、サイバーセキュリティーのガイドラインを作成。サプライチェーンを構成する各事業者の業務基盤となる情報通信技術に焦点を当て、達成条件を50項目にまとめた。

パノレイズのサービスは、ガイドラインに準拠した内容で、アンケートに回答することで達成状況を集約。そのほかネットワークやアプリケーション、公式SNSなども診断し、項目別に脆弱性を赤、黄、緑で評価する。

各サプライヤーの評価を一元的に管理でき、サプライチェーンの包括的な状態を判断できる。ハッカーの視点からシステムを評価し、最新の状況に応じたスコアリングを行う点が特徴となる。

アイアンスケールズは人工知能(AI)を使用して、メールを悪用した脅威を排除する。担当者は「大手メーカーに対するサイバー攻撃が話題になりがちだが、サプライチェーンの脆弱な個所から侵入され、被害が広がるというケースも増えている。セキュリティーの必要性は高まっている」と警鐘を鳴らす。

トライアルは、関東・東海・関西に拠点を置く自動車産業のサプライチェーンを構成する企業が対象。8月10日までに申し込むと、パノレイズを最大90日間、アイアンスケールズを最大60日間、無償で提供する。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞6月26日掲載