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2020年6月26日

自動車業界挙げ「脱炭素」 経団連「チャレンジ・ゼロ」

自動車業界が脱炭素社会の実現に向けたイノベーション創出の取り組みを加速させる。日本経済団体連合会(経団連)が発表した二酸化炭素(CO2)排出ゼロの社会を目指す「チャレンジ・ゼロ」宣言には、トヨタ自動車や日産自動車、マツダ、三菱自動車のほか多数のサプライヤーなども参加を決めた。

燃料電池車(FCV)の低コスト化につながる技術開発や電動車を組み込んだ社会インフラづくりなど企業主導の技術革新を通じて、カーボンフリー社会の実現に貢献する。

気候変動に関する国際的な枠組み「パリ協定」が2020年から本格運用された。政府のパリ協定に基づく長期目標では、50年以降のできるだけ早期に脱炭素社会を目指すとしている。

温室効果ガスの排出と吸収のバランス(ネット・ゼロカーボン)達成には革新的なイノベーションが不可欠となっている。経団連はビジネス主導の革新的技術の開発でパリ協定のターゲット達成に貢献する。

経団連が発表した同宣言には137の企業・団体が参画し、自動車メーカーやサプライヤーも多数賛同する。同宣言への参加企業はネット・ゼロエミッション技術の開発や、革新的技術の社会実装・普及について300を超える具体的なチャレンジを表明した。

トヨタは、究極のエコカーであるFCVの本格普及に向けてFCシステムの一層の低コスト化と高効率化に挑戦する。経済産業省が示す30年の水素・燃料電池戦略ロードマップで掲げる乗用・商用耐久性15年以上などの目標の実現に向け、触媒をはじめ新規材料の開発に産学連携で取り組む。

日産自動車は、製品から生産、販売などバリューチェーンの脱炭素化と社会インフラに電動車を組み込んで省エネ化を図る取り組みを推進する。電気自動車(EV)「リーフ」に加えてさらなるラインアップを拡充するとともに、電動パワートレイン「eパワー」の採用車種を拡充する。

車づくりでも「ニッサンインテリジェントファクトリー」の導入により、環境負荷を低減する。

マツダは、電力の製造過程の環境負荷を考慮した「ウェル・トゥ・ホイール」視点で企業平均CO2排出量を50年までに10年比で90%削減することを狙い、30年までには50%削減を目指す。

内燃機関のさらなる研究開発を進め、熱効率を向上させる。三菱自は電動車を電力需給の調整役としてエネルギーインフラに組み込む試みを進め、再生可能エネルギーの導入拡大を後押しする。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞6月23日掲載