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2020年6月18日

ダイハツ、販社のアイデア全国共有 顧客対応力向上

ダイハツ工業は、系列販売会社が独自に立ち上げた顧客向けサービスを全国の販社に広げている。

10日にユーザー向けポータルサイト「ダイハツポート」をリニューアルしたのに合わせ、岐阜ダイハツ(伊縫文哉社長、岐阜市)が構築した「納車サポートシステム」とダイハツ広島(松本耕二社長、広島市西区)の「ポイントプログラム」を全国のダイハツディーラーが希望に応じて活用できるようにした。

直にユーザーと接する販売の最前線から生まれた現場発の良質なアイデアや仕組みを全国で共有し、顧客対応力やユーザー満足度の向上につなげる考えだ。

ダイハツポートは、会員制の顧客向けのウェブサービスで、個人ごとに設けるマイページでは、メッセージアプリ「LINE(ライン)」と連動した入庫促進活動などを行える。販社とユーザーとのコミュニケーションツールとして登録者数の拡大を進めており、今回のリニューアルで目玉となるのが、販売現場から誕生した2つの機能だ。

岐阜ダイハツとダイハツ広島の取り組みは、ダイハツがそれぞれの仕組みを両社から買い取ることでダイハツポートに盛り込んだ。他の販社が導入する場合は、メーカーに利用料を支払うことで活用できる。5月に同社が実施した意向調査では、およそ8割の販社が導入すると回答した。

納車サポートシステムは、岐阜ダイハツが「ご成約者様専用ページ」として2018年11月にスタートした。個々の成約者のライフスタイルに合わせたきめ細かな対応をインターネット上のサービスで実現するため、チャット形式のメッセージ機能などを提供。

ダイハツでは、他のディーラー店舗においても納車業務の効率化などにつながると判断し、全国展開に踏み切った。

また、ダイハツ広島が手掛けたポイントプログラムも既納客の囲い込み戦略の1つとして活用が進みそうだ。販社での用品購入や車検や整備で入庫するごとにポイントを付与し、貯まったポイントはコンビニエンスストアのコーヒーやギフト券などさまざまな商品に交換できるという。

ダイハツでは、販社が独自に考案した集客に役立つツールや販促アイテムなども全国展開が可能な場合は買い取り他の販社に展開する方針を打ち出している。これまでにも岩手ダイハツ(中田利光社長、岩手県矢巾町)が制作した納車説明用の動画DVDを各社の業務改善につなげた。

販社としては良質な取り組みであれば買い取りも期待でき、制作コストなども吸収できるメリットがある。新型コロナウイルスの感染拡大によって市場環境や消費者ニーズが大きく様変わりするとみられる中、ユーザーの生の声を反映した新たな発想への期待はますます高まりそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞6月12日掲載