2020年6月10日
産総研 ゼロエミッション技術高度化へ協議会設立
産業技術総合研究所(産総研、石村和彦理事長)は2日、産官学が連携してゼロエミッション技術の高度化に取り組む新たな協議会を設立した。東京湾岸エリアに集積している自動車や電機、エネルギー関連といった多様な企業や研究機関などが協力し、同地域をゼロエミッション技術に関して世界をリードするイノベーションエリアとしていくことを目指す。
設立時点で自動車メーカーでは日産自動車が参画している。水素利用技術やCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)などの研究開発を加速するだけでなく、グローバルに情報発信を強化していくことにより、環境技術で日本の存在感を高めていく狙いだ。
今回、新設したのは「東京湾岸ゼロエミッションイノベーション協議会(ゼロエミベイ)」で、会長には東京工業大学の柏木孝夫特命教授・名誉教授が就任した。事務局は産総研のゼロエミッション国際共同研究センター(吉野彰センター長=旭化成名誉フェロー)が務める。
現在の会員は日産のほか、旭化成、岩谷産業、JXTGホールディングス、日本製鉄、日立製作所など13の事業者や研究機関が加入している。これ以外にも約50の事業者や研究機関などから入会申し込みがあるとしており、16日に開催予定の総会ではメンバーがさらに広がる見込みだ。
ゼロエミベイでは政府が1月に策定した「革新的環境イノベーション戦略」に基づいて活動を進めていく。同戦略では東京湾岸エリアを世界初の〝ゼロエミッション版シリコンバレー〟に進化させる提言が盛り込まれており、「ゼロエミッション活動の世界的な拠点にしていきたい」(柏木会長)考えだ。
今後、ナショナルプロジェクトの提案を含む研究開発や実証プロジェクトの推進などに加え、ゼロエミッション技術に関するビジネス展開など会員間の情報交換の場としても役立てていく。また、東京湾岸周辺エリアに存在する企業や大学、研究機関などの活動情報を含めたマップの作成などにも取り組む計画だ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞6月4日掲載