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自動車産業インフォメーション

2020年6月2日

自動車10団体がコロナ対策ガイドライン 感染予防と販売活動両立

日本自動車販売協会連合会(自販連)など自動車流通関係10団体による「自動車販売(小売、卸売)業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」が5月27日、公表された。緊急事態宣言の解除で販売各社が本格的な営業活動に向けて準備を進める中、新型コロナを意識した新たな自動車流通の様式がスタートする。

10団体による指針では、試乗中は従業員が後部座席に座るなど、感染予防と販売活動を両立するための対策が盛り込まれた。さらに事業者間取引を行う中古車オークション(AA)会場にも1社あたりの来場制限を促すなど、自動車流通業界全体での取り組みが求められている。

緊急事態宣言の解除後、全国の自動車流通各社は、営業時間短縮の緩和など、徐々に通常営業に向けて活動量を増やしている。こうした中、今回策定されたガイドラインでは、講じるべき具体的な対策として小売り店舗やAA会場での取り組み、従業員への感染防止対策をまとめた。

店舗での対策は、密閉・密集・密接といった、いわゆる「3密」の防止にはじまり、スタッフと客が対面する場所には飛沫感染対策を施すよう求めている。すでに新車販売店舗などでは、商談テーブルにアクリル板を設置するケースもあり、ガイドラインでもこうした対策を呼び掛けている。

また3密の懸念がある試乗は窓を開けて行う。ユーザーの車両をチェックする下取り、買い取り査定は手袋を着用するなど、自動車販売業特有のケースについても具体的な取り組みを示した。特に感染拡大の懸念が大きい地域は、営業時間を短縮する必要があるとしている。

多くの中古車事業者が来場するAAには、競り会場での取り組みと利用する事業者への要望をまとめた。緊急事態宣言中は来場による競り参加を取り止める会場も少なくなかった。今後は感染対策を徹底したうえで中古車流通を支える競りの活性化を進める必要がある。

具体的な対策としては、来場制限のほか、食堂のメニューは簡素化または弁当形式を推奨し、大皿から取り分けるバイキング形式の提供は行わないよう求めた。利用者には、外部応札システムを活用した会場外での競り参加を促す。

ガイドラインは自販連が中心となり、日本中古自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会、日本自動車輸入組合、日本自動車査定協会、日本自動車購入協会、日本オートオークション協議会、全国オートバイ協同組合連合会、中古二輪自動車流通協会、日本二輪車オークション協会の10団体が共同で策定した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞5月29日掲載