日本自動車教育振興財団(JAEF、内山田竹志理事長)は、新型コロナウイルス感染症で混乱した高等学校などの教育現場の支援に向けて、同財団のウェブサイト上で地歴科用および公民科用の副教材の提供を開始した。

緊急事態宣言が解除された一方で、オンライン授業あるいは課題設定による自習等を実施する学校では、感染の第2波への備えの必要性から、教育体制が従来の形に戻るまで暫く時間を要すると考え、提供に踏み切った。

教材は、1つが「持続可能な社会づくりと自動車交通」。自動車交通の観点から現代社会の課題に焦点をあてた情報誌「Traffi-Cation」の過去の特集記事を新科目「公共」用副教材として再編集した。

「持続可能な経済社会の実現」「地域社会の変容と住民生活」「環境問題での現状と課題」「安心と安全」の4つの課題分野に関する計9テーマから構成しており、取材に基づく実例をもとに、各テーマについて自らどう考え、行動するかを議論する材料として活用できるという。

もう一つは「クルマを通じて社会を考える」。われわれの生活に密着したクルマ、すそ野の広い自動車産業は、経済や社会問題を考える公民科・社会科の授業には格好の題材となる。

このため指導要領で求められている思考力・判断力といった言語活動に重きを置き、グラフや図表を主体とした構成で資料活用や資料読解能力の育成に適した副教材となることをねらい制作した。

また、題材を設問形式にまとめて、生徒自身でも主体的に取り組めるよう工夫した。地球温暖や資源・エネルギー問題、国際経済、自転車事故と損害賠償などの6章で構成する。

2つの教材は従来、申し込み者に冊子を郵送して提供していたが、オンライン上でフリーに閲覧・ダウンロードできる仕組みを作った。