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自動車産業インフォメーション

2020年5月14日

コロナ感染拡大 輸入車市場にも影響

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が国内の輸入車市場に影響を与え始めている。日刊自動車新聞社が主要インポーターを対象にアンケート調査を実施したところ、8日までに回答のあった10社中5社が「新車、部品供給に影響が出ている」と回答した。さらに2社は「今後影響が出る」とするなど、供給停滞による国内市場へのダメージを懸念する声が広がっている。

3月半ばから欧州を中心に相次いだ生産停止が今後国内市場に影を落としそうだ。各社の回答からは、現時点で日本国内における影響は限定的なものの、先行きの見通しが不透明な状況が浮かび上がる。日本市場における新車、部品供給への影響を聞いたところ、「影響がない」としたのは中堅クラスのインポーター1社にとどまるなど、多くの銘柄では少なからず影響が出ていることが分かった。

「影響が出ている」とした5社では、いずれも車両や部品の供給が遅延している。ただ「工場から日本までのパイプラインが長いことが功を奏してほとんど影響が出ていない」「遅延によって在庫台数が予定より減少している」などの声もあり、現時点で販売現場への影響は限定的だ。「第3四半期以降の販売に響く可能性がある」と今後の動向を不安視する向きが強い。

「現時点では判断できない」とコメントした1社は、足元では供給不足などに陥っていないものの、今後の見通しについて「精査中」と回答。「全容を把握できていない」との声もあり、工場再開の動きが出るも、先行きの不透明感は拭えない状況が続いている。

販売現場では地域によって2月から通常通りの営業活動が展開できていないこともあり、大幅な来店数の減少と受注減に見舞われている。さらに商品供給も滞れば、ダメージは決して小さくない。インポーター各社は、販売現場への影響を少しでも回避するため、手元の在庫車両を生かした販売支援などを迫られている。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞5月11日掲載