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自動車産業インフォメーション

2020年5月13日

ウイルス対策グッズ 自動車用品店、仕入れ追いつかず

新型コロナウイルスのまん延によって街中のドラックストアでも消毒液などが品薄状態にある中、自動車業界にも同様の動きが波及している。車内除菌用の商品やアルコール消毒液などを取り扱う自動車用品店などでも、店頭に並べるとすぐに完売するなど、仕入れが追いつかない状況が続いている。

また自動車販売店や整備工場でも来店客や従業員用として使用する消毒用品の使用量が急増。収束に向けた道のりが長期化するとの見方も広がっており、新型コロナウイルス対策グッズの需要はさらに高まりそうだ。

東京都江戸川区で営業する「オートバックス江戸川店」。新型コロナウイルスの飛沫感染を防止する透明なシートが施された会計カウンターの前には、来店者がすぐに商品を見つけられるようにウイルス対策グッズを集めた特設コーナーを設置している。ここに並ぶのはウイルスに対応した消毒液やマスクだ。

同社によると、こうしたウイルス対策関連商品は店頭に入荷すると短時間で売り切れる状態が続いているという。アルコール系のウエットティッシュも売れ行きが良いほか、オリジナルブランド「ゴードンミラー」で販売する活性炭入りのマスクも飛ぶように売れたという。

また車内空間のウイルス除去や消臭効果のある商品も人気だ。カーメイト(徳田勝社長、東京都豊島区)が製造・販売する除菌・消臭剤「ドクターデオ」シリーズも新型コロナウイルスの国内感染が確認されて以降、販売数が急増しているという。

消費者向けの小売だけでなく、自動車販売店や整備工場からのニーズも急拡大している。機械工具商社のサンコー(永瀨道晴社長、東京都港区)では、ウイルス対策に効果のある弱酸性次亜塩素酸水への注文が殺到している。

約3年前から事務所や店舗のインフルエンザ対策などとして販売してきたが、全国的な消毒液不足などもあり、取引先工場からの注文が後を絶たない。特にここ半月余りで通常の1年分とほぼ同じ量を受注したという。それでも注文から1、2週間で供給できており、永瀨社長は「使い切る前に早め、早めの発注を」と呼び掛けている。

また機械工具商社のバンザイ(柳田昌宏社長、東京都港区)も、顧客工場からの取り扱いを希望する声を受けて、自社ブランド商品にアルコール除菌ジェルを追加。3月に販売を開始した。すでに注文が相次いでおり、納品までに1カ月かかる状況だ。「増産に向けた調整を続けている」とし、納期の短縮に向けた対応を急ピッチで進めている。

中古車買い取り、販売などを手掛けるカーチスホールディングスも4月にアルコール除菌ジェルの取り扱いを開始した。部品販売の子会社タカトクを通じて取引先中古車販売店や整備工場に供給する。中古車小売店でも納車前の消毒作業を徹底する動きが出ており、さらなる需要の高まりを見込んでいる。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞5月8日掲載