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2020年5月11日

日刊自連載「軽自動車の使用実態調査報告書」(2)安全意識の高まり

高齢ドライバーによる交通事故が相次いだことを受け、満65歳以上を対象としたサポカー(安全運転サポート車)の購入補助が決まった。日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)がまとめた軽自動車の使用実態調査報告書によると、軽乗用系保有者のサポカーの認知度は28%で、若い世代の認知率が高まる一方、高齢になるほど低下していることが分かった。

ウェブ調査を通じて、軽乗用系を保有している人にサポカーを認知しているかどうかを尋ねたところ、「知っていた」と答えた28%に対し、「知らなかった」という人は72%だったことが明らかになった。

年代別で見ると、20代以下が39%、30代が34%だった一方、50代は27%、60代は22%、70代以上は19%で、若い世代の人ほどサポカーを認知していることを示す。

軽乗用系サポカーの認知者ベースの購入意向は「非常に購入したい」「まあ購入したい」が64%だった。性別では女性が高く65%。全年代で高い購入意向を示した中でも、40~50代は7割以上となった。

年齢を重ねるにつれて高まる運転時の不安が背景にあるとみられる。30歳前後からの運転変化として「慎重に運転するようになった」が63%と最も高く、「雨天、夜間などにまわりの状況が見えづらくなった」(40%)、「長く運転すると疲れやすくなった」(37%)といった声も挙がり、そうした不安を技術でサポートして欲しいという要望がうかがえる。

ユーザーが軽自動車を購入するポイントとして安全性を重視するという意見が多く54%と、13年度から安全性重視度が増えている。年代別では40~60代のユーザーの安全性志向が高く5割を超える。

高齢者層の消費者は、軽自動車に対する安全のイメージを抱く人の割合が高い。「軽自動車は安全な移動をサポートしてくれる」ということに対して、「そう思う」「ややそう思う」と答えた人は50代で40%、60代で37%、70代以上で38%と、30代などと比べて高い水準にある。

先進技術への興味も上昇傾向にあり、1年前と比べて「興味が高まった」と答えた人は60代で51%、70代以上で63%だった。

安全運転を支援する技術の中で、事故防止に一定の効果があるとされる衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置への関心は高い。同ブレーキを魅力に感じる人は7割を超え、ペダル踏み間違い時加速抑制装置も5割超となり、それぞれ女性や60代以上のシニア層に支持されている。

先進安全装備を有料でも装着するかを尋ねたところ、衝突被害軽減ブレーキは4割程度、ペダル踏み間違い時加速抑制装置は3~4割程度の人が有料でも装着するとの意向を示した。一方、同ブレーキについては追加費用なしという人も約2割いた。こうした安全装置への不安として「正しく作動するか不安」と答えた人が最多の64%で、「標準装備化することで車両価格が高くなる」というユーザーも3割存在した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月28日掲載