会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2020年5月8日

車内テーブルで「簡易オフィス」 広がる在宅勤務ニーズ拡大

車内を簡易オフィスに―。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、在宅勤務を導入する企業が増加している。ただ、在宅勤務を急遽採り入れた企業が少なくないため、インターネット環境の整備やセキュリティーの問題、ワークスペースの確保、勤怠管理などの課題も見え始めてきたようだ。

特に、同居家族がいる家庭ではウェブ会議や電話対応などを行う場所に悩む人が多いという声も挙がっている。そういった状況下、じわじわと人気が出始めている製品が車内用テーブルだ。収束の兆しが見えていないコロナ禍の中、快適な仕事環境を整える製品として今後さらに注目を集めそうだ。

車内テーブルは運転席用、助手席用、後部座席用などの種類がある。また、食事用であれば、ドリンクホルダーがついたものやファストフードのポテトがそのまま置けるもの、タブレット端末を置くことができるフードトレイなどもある。仕事用は、耐荷重が最大20㌔㌘のものや角度調整ができるもの、補助テーブルが付いたものなど、ノートパソコンが使いやすく、スマートフォンなどの置き場所を用意しているものなどさまざまな種類がある。

運転席用はハンドルの間にかけるタイプやハンドル上部に掛けるタイプがある。駐車時にしか使用しないため、未使用時にはドアポケットなどに収納できるものが人気は高い。助手席用は固定タイプではなく、ひざの上などに置いて使用することを想定したデザインが多いという。

後部座席用は前の座席のヘッドレスト部分に掛けるものなどがあり、折り畳み式の製品が多い。これまでであれば、子どもがいるファミリー層が後部座席で食事をするために購入することが比較的多かったという車内テーブルだが、3月頃から売り上げが伸びているという。

カー用品店各社では、3、4月の車内テーブルの販売数が前年同期比約1・5~2倍のペースで推移しているという。あるカー用品店では、政府が4月7日に出した緊急事態宣言の前週は同1・2倍だったが、緊急事態宣言後の週は1・4倍に増加しており、ニーズの拡大が見てとれる。

実際に車内テーブルを使用しているユーザーに聞くと「この時期であれば、1、2時間の打ち合わせは十分車内で可能。静かだし、暑くも寒くもない。家族に気を使うことなく打ち合わせや電話ができるのは良い」という。また「ウェブ会議をしている時に背景が明らかに車の人が増えてきた」との声もある。

未だ収束の気配が見えないコロナ禍。ただ、これを「働き方を見直す良い機会」と捉える向きもある。住宅事情は簡単に変えることはできないが、車を利用することで少しでも快適な仕事環境を整えることはできそうだ。

 

 

 

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞5月1日掲載