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2020年4月27日

整備学校日刊自アンケート 多くの学校で入学者増える

2020年度は多くの整備専門学校で入学者数が増加―。日刊自動車新聞社は、全国の自動車大学校・整備専門学校にアンケートを実施した。多くの学校で入学者数が増えた中で、外国人留学生も同様に増えている。これに伴い、周囲の日本人学生にも好影響が現れている。各校とも高校生に加え、小中学生にも対象を広げ、奨学金制度の充実振りや自動車整備業の社会的役割をアピールし、学生募集に一段と力を入れていることが分かった。

調査では、入学者数や外国人留学生の推移などに関してアンケートを行った。全国の48校から回答を得た。

自動車大学校・専門学校の入学者数は減少傾向にある。日本自動車整備振興会連合会(日整連、竹林武一会長)の「自動車整備白書~2019年度版」では文部科学省の「学校基本調査」のデータを引用している。それによると、19年度の入学定員1万2147人に対し、入学者数が8079人。定員の7割に満たない状況だ。入学志願者数は9073人で、志願者でも入学しなかったのが994人。この数字は09年度以降では最多だ。

アンケートで今年度の入学者数が「増加した」が43・8%、「減少した」が33・3%、「変化なし」が22・9%だった。学生募集についてはさまざまな取り組みを展開しており「出前授業の実施」(北海道地区)や「地域イベントへの参加」(近畿地区)などの回答があった。

同時に、若年層に向けたアピールも強化しており「インスタグラムやホームページを使った訴求」(関東地区)「就職先のディーラーの店舗見学」(近畿地区)「4Kのイメージの払しょく」(中国地区)などとしている。

しかし、減少を余儀なくされている学校も少なくない。若年人口の減少という構造的要因に加え「高校生らが自動車に興味を示さない」(九州地区)とみる。

学生確保の打開策の1つとして注目を集めるのが外国人留学生だ。調査では留学生が「増えた」とする回答が58・3%。「減少」は4・2%、「いない」は37・5%。

留学生に対して「真面目な授業態度が日本人学生にも刺激を与えている」(関東地区)、「積極的な姿勢を評価」(九州地区)とする声が上がる。このため、今後留学生を「増やしたい」が18・8%、「募集を始めたい」が4・2%となっており、「今までと同じペース」の56・3%を含めると8割近くが外国人留学生を受け入れている。

同時に、「金銭面での負担」も問題視する。母国からの渡航費用、生活面でのコストは相当で、アルバイトで補える額や時間にも限界があることも背景にあるようだ。少数意見としては「時間間隔のルーズさ」(関東地区)などを挙げる。それでも、全般的には好印象を持つ学校が多く「日本に馴染みながら、就職先でしっかりと働き、戦力になってもらいたい」(中国地区)とエールを送っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 大学・専門学校,自動車業界

日刊自動車新聞4月23日掲載