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2020年4月24日

コロナ感染拡大に対応 広がる〝無人中古車オークション〟

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中古車オークション(AA)で外部応札のみの競りとする「無人オークション」に踏み切る動きが広がっている。日本中古自動車販売商工組合連合会(JU中商連、海津博理事長)は17日、AAを運営する全国の商工組合に無人AAの検討を要請。すでに実施した首都圏の4会場に加え、宮城や栃木など複数の商組が会場の利用を停止することを決めた。

会員や運営スタッフに感染が広がれば、AAの開催に影響が出る恐れもある。感染拡大防止に向けた取り組みが全国で加速しそうだ。

JU系は、7日の緊急事態宣言を受け、JU東京、JU神奈川、JU千葉、JU埼玉の4会場が外部応札のみによる無人AAに移行した。さらに16日に同宣言の対象エリアが全国に拡大したことを受けて、JU宮城とJU栃木も無人化を決定した。現車の下見は可能だが、24日のAAから会場で応札するPOS端末の利用をすべて停止する。このほかのJU系AA会場でも無人化を決めた会場も出ている。

こうした取り組みは、自動車メーカー系AA会場が積極的だ。トヨタユーゼック(北口武志社長、千葉市美浜区)は16日、一部の会場で実施していた「テレワーク参加型AA」を全11会場へと広げると発表した。来場による下見も禁止する徹底ぶりだ。

また全国6会場を運営するホンダユーテック(伊藤哲也社長、埼玉県和光市)も20、27日のAAを外部応札のみで開催することを決めた。応札集中によるシステムの負荷を軽減するため、レーン毎の競り開始時間なども調整するという。トラック専門AAを3会場運営するいすゞユーマックス(小美濃洋社長、東京都品川区)も当面の間は会場外からの応札に限定する。

今後は、各会場とも緊急事態宣言に合わせて対応していく見通し。国内の中古車流通を支えるAAは、中古車事業者や新車ディーラーの経営、業績与える影響が少なくない。新型コロナの収束の糸口が見えない中、安定的に競りを開催していくための対策が求められている。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月21日掲載