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2020年4月15日

19年度販売、電動車比率が過去最高 軽自動車のHV増加

2019年度(19年4月~20年3月)の乗用新車(軽自動車を含む)販売におけるハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの電動車販売比率は前年度から0・7㌽上がり35・0%と過去最高を記録した。消費税増税の影響による需要低迷で乗用車の電動車販売台数は前年度比2・5%減の146万552台とマイナスとなったが、軽自動車でHV採用車が増えたことで電動車比率はプラスを維持した。

ただ、登録車はHVの伸びが頭打ちとなりEVも2桁減で、ガソリン車比率は前年より高まった。グローバル市場で電動車販売をリードしてきた日本だが、電動化をさらに加速するには〝次の一手〟が求められることになりそうだ。

日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤和夫会長)がまとめた燃料別販売台数と、全国軽自動車協会連合会(全軽自協、堀井仁会長)が発表したHV内訳台数を基に19年度の電動車台数を本紙が集計した。

登録車の電動車比率は、同8・4%減の106万8714台だった。乗用車に占める電動車比率は39・1%となり、過去最高を記録し40%超えとなった前年度を1・4㌽下回った。電動車販売の96・5%を占めるHVは、マイルドHVを採用した新パワートレインを投入したマツダやスバルを除き、6社が前年割れとなった。

HV専用車「プリウス」を皮切りに電動車販売をけん引してきたトヨタ自動車は、HVがマイナスとなったが、ガソリン車は前年度より7・8%も増加している。

シリーズハイブリッド技術「eパワー」を採用した「ノート」や「セレナ」で電動車比率を高めてきた日産自動車も、HVが同16・1%減と大幅に台数を落とした。ホンダやスズキもHVが2桁減となった。国内のEV市場は日産「リーフ」の独壇場だが、現行モデル投入から2年が経ち販売は落ち込んだ。プラグインハイブリッド車(PHV)も、三菱自動車「アウトランダーPHEV」などが落ち込んだ。

軽の電動車はHVのみとなる。19年度の販売台数は同18・4%増の39万1838台となり、乗用車に占める割合は27・2%と4・9㌽上昇した。19年3月に発売した日産「デイズ」と三菱自「eKシリーズ」に設定したマイルドHVが純増となり、HV台数を大幅に押し上げた格好だ。

HV採用車の拡大で国内の電動車比率は右肩上がりを維持するが、その伸びは鈍化している。こうした中、ホンダは2月に発売した新型「フィット」に2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV」を採用。日産は国内投入を予定する小型SUVにeパワーを搭載して、HV車種を拡大する方針だ。EVではホンダやトヨタも国内販売に参入する見通しだが、これらによって電動化比率をどこまで押し上げるか注目される。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月10日掲載