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2020年4月7日

経産省、長期ビジョンを明確化 30年以降の政策検討会立ち上げ

経済産業省は、「モビリティの構造変化と2030年以降に向けた自動車政策の方向性に関する検討会」を立ち上げた。自動車産業は現在、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)など100年に一度の変革期に直面している。こうした中、長期的なスパンでのビジョンを明確化することで、次代をリードできる産業基盤づくりにつなげる狙い。

31日に梶山弘志経産大臣も出席して第1回目の検討会を開催。伊藤元重東京大学名誉教授・学習院大学教授を座長とする12人の委員が計4回の会合を重ねていく計画で、今夏にも中間報告をまとめる方針だ。

検討会では30年以降に想定されるモビリティ社会の大きな構造変化に向け、将来的な自動車産業のあり方を見据え、これに至るロードマップを構築していく。自動運転がどのタイミングで導入されるかなどといった短期的な視点ではなく、長い目線で社会システムを巻き込んでどのように成長していくべきか大きな論点で議論を進める。

例えば、空飛ぶクルマや船・鉄道の電動化など自動車産業の枠を超えた連携や、都市やエネルギーのインフラと協調できるモビリティの実現などの必要性を話し合っていく。また、30年以降の大きな方向性の実現に向け、20年代に対応すべきプロセスも整えていく。

初回の検討会では「研究開発を考えると30年は比較的近い」ことから、「環境対策では50年をにらんだ上での中間点として検討していく必要があるのでは」といった意見や、「クルマだけを設計するのではなく、インフラと一緒に設計することで価値が高まるのではないか」との声もあったという。今後、さまざまな観点からあらゆる可能性を探っていく考えだが、最終的な取りまとめでは数値目標の設定などにはこだわらない考えだ。

梶山経産大臣は冒頭のあいさつで「自動車産業は日本経済と地域雇用を支える戦略産業であり、これからも日本を支える」とした上で、「モビリティの将来を見据えた多角的な意見をいただきたい」と呼びかけていた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月2日掲載