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自動車産業インフォメーション

2020年4月7日

乗用メーカー8社 国内工場の生産停止が全社に拡大

新型コロナウイルスの影響で乗用車メーカー全8社の国内工場が生産停止に追いやられた。中国に端を発した部品供給の停滞は新型コロナの感染拡大とともに世界に広がり、サプライチェーンの維持が難しくなった。各自動車メーカーが国内生産を停止するのは2011年の東日本大震災以来。

各社は新型コロナの影響下で東日本大震災の教訓を生かしサプライチェーンの維持に努めたが、感染は世界に広がったため部品の代替調達が難しくなってきた。また、外出制限などで国内外の新車需要が低迷し、輸出も含めた生産調整という局面を迎えている。世界的な感染拡大が収束局面を迎えない限り、国内生産への影響は当面続く可能性がある。

乗用車メーカー各社は、5月の大型連休を前に国内工場の稼働調整に入る。国内生産の輸出比率が6割を超えるトヨタ自動車は、海外需要の低迷を理由に生産を止める。調整に入るのは生産委託先を含め国内5工場7ラインで、レクサス各車をはじめ「カローラ」や「ランドクルーザープラド」など海外向けの商品が多いのが特徴だ。減産規模は約3万6千台を見込む。

輸出比率が8割を超えるマツダとスバルも生産調整に入る。スバルは、世界的な需要減に加え、米国など海外製部品の調達が困難となり、群馬製作所の稼働を11日から5月1日まで休止する。減産台数は約3万9千台となる見通し。マツダは本社工場と山口県の防府工場の稼働を3月28日~4月30日の間、13日間停止し、8日間は昼勤のみ稼働する。同社では国内とメキシコ、タイを合わせた減産影響を約6万台とみている。

日産自動車は2月に子会社の日産自動車九州や日産車体などの工場を一時停止。4月以降は自動車市場の低迷を受けて、追浜工場と栃木工場、日産自動車九州の生産を一時的に停止する。

ホンダは、埼玉製作所狭山工場で生産する車種の一部部品で調達が困難になったため、16、17日の2日間生産を停止する。同工場で主力車種の生産は行っていないため、減産影響は限られるようだ。一方で、鈴鹿製作所で生産する「N―WGN」も部品調達の問題で4月以降に約1週間停止する。こちらはバックオーダーを多数抱えており納期に影響がでそうだ。

三菱自動車は軽自動車を生産する水島製作所のライン停止に続いて、同製作所の登録車ライン、岡崎製作所、パジェロ製造も稼働を止める。スズキは四輪車を生産する3工場を1日から3日間稼働を停止し、6日以降も一部操業を停止するなど減産体制をとる。ダイハツも、トヨタ自動車向けの登録車などを生産する滋賀工場を7日間稼働停止する。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月3日掲載