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2020年4月3日

大型車4社、外国人受け入れ拡大 特定技能制度の活用も

大型車メーカー4社のサービス工場で外国人技能実習生の活用が進んでいる。日刊自動車新聞社の調べによると、現在、4社の整備士総数の5%近くにあたる約500人の実習生が整備現場で働いていることが分かった。各社は今後、グローバルでの人材教育のために技能実習生の受け入れを拡大するとともに、国内の整備士不足に対応するために特定技能制度の活用を本格化する考えだ。

外国人技能実習制度の対象に自動車整備作業が加わった2016年4月以降、各社は実習生の受け入れを開始。いち早く採用を開始したのは三菱ふそうトラック・バスだ。同年10月に1人目を受け入れた後、ベトナム、フィリピン、インドネシアと対象国を拡大。同社系列の販売会社では2月末時点で整備士全体の1割にあたる228人を受け入れている。

このほか、日野自動車は約110人、UDトラックスは正社員として採用する外国人を含めて約270人が整備現場で働く。各社は海外のアフターサービスを強化するために、技能実習生の受け入れをさらに拡大する。4月1日時点で三菱ふそうは約280人へ、日野は約130人に増やす計画だ。

一方、深刻化する人材不足を解消するために、19年4月に始まった新たな受け入れ制度「特定技能制度」の活用も進み始めた。三菱ふそうでは昨年の冬、技能実習2号を修了した2人の整備士が特定技能1号を取得し、広島県と静岡県の整備工場で勤務を開始した。特定技能1号は、在留期間が最長5年となり、契約社員としての就労が可能になる。

大型車メーカーは乗用車メーカーと比べて業務の負担が大きい傾向がある上、ブランドの認知度が低く、整備士が集まりにくい。特定技能1号の取得を推進し、整備士の確保につなげる。

外国人技能実習制度をめぐっては、一部企業による違法な長時間労働などの不当な待遇が問題視されている。ディーラーを含めた自動車整備業界では働きやすい職場環境や待遇、住環境などを整え、一段の受け入れ拡大を進めていく構えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月31日掲載