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自動車産業インフォメーション

2020年4月1日

超小型EVに購入補助金 経産省、個人利用で20万円

経済産業省は、2019年度補正予算事業で、地域の新たな移動手段として期待される超小型電気自動車(EV)を新たに購入補助の対象に追加した。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車に対する補助金制度について、一部対象を見直した。個人利用の場合は定額20万円、シェアリング用途には定額30万円を交付する。また、災害時の非常用電源として電動車を活用してもらうため、EV、PHVなどについては給電機能付きの車を車両購入補助の対象とする。

経産省は、EVやPHV、燃料電池自動車(FCV)を購入する際に支給する「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」(CEV補助金)を運用している。19年度補正予算で50億円を確保した。補助金の執行団体は次世代自動車振興センター(代表理事=堀洋一東京大学大学院教授、東京都中央区)で、今月13日から申請受付を開始した。初年度登録(届出)が2月22日以降の車が対象。

19年度補正予算で行うCEV補助金では、1~2人乗りの超小型EVを初めて対象に加えた。かねて経産省は低速走行や小回りが利くといった特徴を持つ超小型モビリティの有用性に着目。近年高齢ドライバーによる重大事故が相次ぐなか、昨年開いた「多様なモビリティ普及推進会議」で超小型EVの購入補助を行う方向で調整することを決めた。

個人が購入する場合、例えば現在市販化されている対象車種のトヨタ車体「コムス」(72万6852円~、税別)には一律20万円を補助する。さらに、カーシェアリングなどのサービス利用を目的に導入する場合には30万円を定額補助する。地方部や観光地で超小型EVを活用したサービスの普及が進めば、稼働率の向上や普及台数の増加が見込める。活用シーンが増えれば、量産効果で車両コストの低減や車種の拡充が期待できる。

EV、PHV、FCVについても対象を見直し、災害時での利用シーン拡大を狙う。昨年、千葉県を中心に襲った台風15号など自然災害が頻発し、非常電源として電動車に注目が集まった。有事の非常電源としての活用を広げるため、19年度補正予算事業分では、外部給電器などを経由して電力を取り出すことができる外部給電機能が標準・オプション設定された車両の購入を支援する。クリーンディーゼル自動車は含まれない。

20年度もCEV補助金は運用する計画で、19年度補正予算と合わせ180億円を確保。来年度については今後対象車種や補助率などの詳細を詰める。政府は30年までに新車販売に占める次世代自動車の割合を5~7割とする目標を掲げており、電動車の購入補助を通じてEVなどの普及を後押しする。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月28日掲載