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2020年3月31日

首都圏で外出自粛要請 販売会社は通常営業、年度末で商談・車検集中

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、東京都など首都圏で28、29日の外出自粛要請が出たが、都内では自動車販売会社の多くが通常通り営業を行うことを決めた。年度末最後の週末で商談や車検などの入庫予約台数が多いことなどから、臨時休業や時間短縮の措置は避けた模様だ。各社では集客を目的としたイベントの中止などで感染予防対策の徹底も図るが、外出自粛による影響で来店客数や新車販売の減少は避けられない。

26日、東京都と埼玉、千葉、神奈川、山梨各県の知事は、各地域の住民に今週末における不要不急の外出自粛を呼び掛けた。都内の販社のほとんどは28、29日、通常営業を行う予定。東京日産など3社を運営する日産東京販売ホールディングスは、両日に限って顧客からの要望があれば、普段は実施していない引き取り納車をすることに決めた。外出自粛に応える顧客への対応として決めた。メルセデス・ベンツ日本(上野金太郎社長、東京都品川区)では26日、販社が地域の状況を考慮して営業時間などを判断するよう要請した。

年度末最後の土日ということもあり、各販社では新車の商談やサービス入庫の予約客を多く抱えているのが現状。「お客さま対応を考える上で、こちらから臨時休業しますということは難しい」と、あるメーカー関係者は話す。

2月28日から3月31日までに車検証の有効期間が満了する自動車について、有効期間が4月30日まで伸長されたが、「予定していた入庫日を延長するお客さまはそう多くないはず。販社側としても入庫台数が増えているこの時期に、休業などで作業を先延ばしすることは避けたい」(販社関係者)との声も聞かれた。

中古車事業者では、従業員に公共交通機関の利用を控えるよう呼び掛けた企業もある。大手中古車販売店では両日、店舗スタッフを必要最低限まで減らして営業する方針。中古車買い取り・販売のアップルは、今週末については通常営業するが、来週以降は納車やサービス入庫の予定が少ない店舗を中心に、フランチャイズ(FC)各社の判断で時間短縮などを検討するという。

都内など住民の中でも公共交通機関の利用を避ける傾向が強まったことで、納車スケジュールの前倒しを希望する顧客も出始めているという。販社にとって、政府や地方自治体からの要請に対応しながら、こうした顧客ニーズに応えるためにも臨時休業の判断を下すことは非常に難しい。北海道では2月28日に「緊急事態宣言」を出したが、最初の週末は多くの販社で「サービス入庫はほぼ予定通りだった」(ある販社関係者)。一方で、「新規の来店者数はほぼゼロ。受注台数は前年の約3割」(同)と大幅に減少した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月28日掲載