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2020年3月30日

東京五輪延期、自動車業界にも影響 自動運転披露計画の変更も

今夏開催予定だった東京五輪・パラリンピックが1年程度延期されることを受け、自動車業界にも影響が及ぶ可能性が出てきた。安倍晋三首相は2018年3月の政府・未来投資会議で「20年の東京五輪で自動運転を実現する」と発言しており、東京五輪は国内外に日本の自動運転技術を披露する場となるはずだった。日本自動車工業会(自工会)も東京五輪開催前に自動運転の実証実験を公開してオールジャパンの技術力を世界にアピールする予定だったが、イベント開催についても判断を迫られそうだ。

内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)は、昨秋から自動運転の公道実証を実施。この実証実験を踏まえ、東京五輪をショーケースに自工会とSIPが連携して7月に自動運転車約100台を使った試乗体験会を実施する計画だ。

SIPの関係者によると、東京五輪開催延期による実証実験や試乗会の開催については「具体的にはまだ議論していないが、影響が出そうなので検討していく。今後、メーカーや有識者ら関係者が集まって調整する」として、定期的に開催している「2020東京臨海部実証実験タスクフォース」を4月以降に開催して検討する方針だ。

自工会の豊田章男会長は、五輪延期が決まる前の19日の会見で、新型コロナウイルスの影響も踏まえた上でイベントを開催する方針を示していたが、「いろいろ状況を踏まえながら判断していく」とも述べていた。自工会広報は「現時点で正式にお伝えできることはない」としている。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月26日掲載