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自動車産業インフォメーション

2020年3月27日

新型コロナ経済影響調査 政府が集中ヒアリング

政府は新型コロナウイルス感染症の実体経済への影響を調査する集中ヒアリングに乗り出した。19日に開いた第1回目では個人事業主やフリーランスなど新型コロナによって経済的に打撃を受けている10人を官邸に招き、それぞれの置かれた状況を確認するとともに、政府への要望などを聞いた。20日には飲食業の経営者、21日には中小企業や小売業の団体トップなどから聴取した。

政府では短期集中で7回程度のヒアリングを行っていく計画。各業種の課題をタイムリーに把握していくことで、より実効性の高い追加の経済対策の実現につなげる。

第1回目のヒアリングは個人事業主4人のほか、勤め先から退職を余儀なくされたなど個人として強い影響を受けたとみられる4人と、就職活動中の学生2人を対象に行われた。このうち、タクシー運転手の50代男性は「持病があり、(感染防止のため)仕事を休んでいる」とし、配偶者のパート収入で生計を立てていると打ち明けた。

しかし、「収入は普段の3割程度で、時給換算すれば最低賃金割れ」との苦しい現状も明らかにした。さらに、「景気が悪化していけばタクシーの売り上げが減り、運転手が無理をすることで交通違反や交通事故が増える」とタクシー業界の傾向も指摘し、早期の支援策拡充を求めた。

個人でイベント運営を請け負う30代女性は、政府によるイベントの自粛要請や一斉休校などの措置で、休業を余儀なくされ収入の急減に直面しているという。「個人でのビジネスリスクは承知している」との認識を示す一方、現在の状況は「個人で背負えるリスクを超えている」と窮状を訴えた。

また、企業説明会などが相次いで中止されている中で、就職活動中の20代の女子学生からは「今後の予定が立たず、学業と両立できるか不安」との声も聞かれた。さらに、新型コロナによる業績不振で希望業界の採用減への懸念や「説明会が中止されることで、企業への理解が不十分」なまま就活に臨まなければならない実態を明かした。

もう一人の学生も「知り合いで内定を取り消された」と打ち明けた。休校が長引く中での学費の取り扱いにも不安を抱える。企業や政府に対しては「さまざまな変更点を開示してほしい」と、情報不足の解消を含めた対策強化を要請していた。

安倍晋三首相は「初めて聞く話もあった」とした上で、「政府のやっていることが伝わっていない」とし、さまざまな緊急措置の情報発信などにも力を入れていく方針を示していた。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月24日掲載