自動車産業インフォメーション

「来期需要に大きな影響」 コロナ禍で自工会会長

2020年3月25日

日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は19日に都内で会見し、全世界に感染が拡大している新型コロナウイルスの自動車産業への影響について「まだ先は読めない。長く続かないことを祈っている」と述べた。例年3月に発表していた国内四輪車需要の今年度の見込みと来年度の見通しについては、新型コロナウイルスの影響度合いが見通せないことから今回は公表を見送った。足元の状況について豊田会長は「本来であれば3月は追い込みがあるが、多少登録に影響が出ると思う」と述べた上で「今期より来期の方が影響は大きい」との見解を示した。

今回の定例会長会見では、新型コロナウイルスの感染防止のために記者の参加人数を絞り、初めてインターネットを介したウェブ中継を行った。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、中国を皮切りに欧州や北米にも生産への影響が及んでいる。豊田会長は「市場で買ってもらってこそ生産活動ができる」と前置きした上で、中国や日本の販売低迷を例に挙げ、「生産も需給調整が始まったところだ」と述べた。

国内生産への今後の影響については「明らかに受注と販売が下がっている中で生産への影響はある」との考えを示した。自動車メーカーは75%以上をサプライヤーからの調達に頼っており、自動車メーカーの生産減少により、部品メーカーへの「波及も大きくなると思う」と述べた。日本経済の低迷が懸念される中で、特に影響度合いが大きい中小企業や労働者に対して「先に光を感じることができるメッセージとアクションを打ち出してほしい」と政府に要請した。

世界経済への影響度合いについては、2008年のリーマンショックを引き合いに出し、「当時と比べると金融システムは比較的健全だ。ただ、リーマンの時は中国が自動車市場をけん引したが今回は期待できない」と、厳しい見通しを示した。一方で、中国の感染については「収束傾向に向かい生産も再開している」と述べ、生産に一部影響を及ぼしているサプライチェーンについても「東日本大震災以降、できるだけ売れるところで作る、部品を調達する、というのは一歩進んでいる」と強調した。

感染防止のためにモーターショーなど各イベントが中止となる中、自工会が7月6~12日までの7日間、羽田空港や臨海副都心で開催する自動運転実証のイベントについては現時点で開催する方針を示した。ただ、豊田会長は「いろいろ状況を踏まえながら判断していく」と含みを持たせた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月21日掲載

会員ログイン