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2020年3月18日

日本工学院八王子専門学校 整備科の学生が地元企業を職場訪問

地域・産学連携で地元のものづくり企業の代表者らが学生に講義を行うカリキュラム「八王子学」を設けている日本工学院八王子専門学校(前野一夫校長)は、自動車整備科の学生を対象に「八王子学2020~自動車整備士の道~」と題した授業を開催した。従来は教室で講義を聴講するスタイルだが、今回初めて学生が校外に出て地元企業の職場訪問を行った。実際の職場環境や働く様子を見学して理解を深めてもらうことで、就業意欲の向上につなげたい考え。入社後のミスマッチを防ぐ狙いもある。

八王子学は、17年に八王子市が市制100周を迎えたことを記念して「次の100年に向け八王子を知り、学ぶ」をテーマにスタートした。これまでに、前市長によるマネジメントを題材にした講義や自治体の都市戦略の担当者によるまちづくりに関する講義、地元企業の有志によるトークセッションなどを行った。企業の代表などが講義を行い、学生のキャリアプラン決定や勉学の支援につなげている。

21年3月に卒業見込みの自動車整備科の学生20人が、卒業生が勤務する整備工場などを訪問。東京都自動車整備振興会八王子支部が協力した。

最初に見学した企業は、立川ヂーゼルオートサービス(高橋孝司社長)。大型特装車を整備する様子などを見学した。高橋社長は、事業内容や離職予防策に力を入れていることを説明。決算時の利益の一部を社員に還元するなどして高水準の待遇を実現するとともに、福利厚生の充実などを行っていることを挙げた。

同社で働く卒業生からは大型車の整備が多いため、学校で勉強したこと以外の知識も必要になることなどを説明。「学生生活でできるだけクルマやバイクに触れた方が、スムーズに仕事をスタートできる」とアドバイスを送った。

次に向かったのは、BMWの新車・中古車販売と整備を行う村内外車センター(松田勅樹社長)で、整備棟やショールームなどを見学した。同社では整備棟で分業制を採用。各部門と連携して整備業務を進めて板金を除く幅広い作業に対応している。先輩メカニックは、「現場を自分の目で見て、働いている人の話を参考に進路を決めてほしい」と企業研究の大切さを助言した。

最後に訪問したのは車両販売などを手掛けるカーライフハギワラ(萩原良夫社長)。萩原社長は「専業整備事業者の強みは、さまざまなメーカー、モデルに対応でき、幅広い顧客からのニーズに応えられる点。仕事は地域密着で人と人とのつながりが大切になる」と整備業の魅力などを伝えた。

学生は、普段は学校で目にすることのない大型特装車両整備に驚いたほか、各社の従業員満足度(ES)向上に向けた取り組みなどに関心を寄せて熱心にメモを取っていた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 大学・専門学校,自動車業界

日刊自動車新聞3月14日掲載