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自動車産業インフォメーション

2020年3月17日

自動車業界、新型コロナの影響 遠い「正常運転」

新型コロナウイルスの感染拡大で政府が大規模イベントの自粛継続を要請したことを受け、自動車メーカー各社はテレワーク推奨や展示施設の休館を16日以降も継続する。トヨタ自動車やホンダなどは4月に予定していた入社式を中止しトップメッセージをオンラインで配信することを決めた。国内での感染影響の収束にめどが立たない中、自動車業界も〝平常運転〟に戻る見通しはまだ立たない。

政府は10日に開いた新型コロナウイルス感染症対策本部で、引き続き10日間程度の大規模イベントの開催自粛を要請した。政府の専門家会議は19日頃をめどにこれまでの対策の効果についての分析が示される見通しで、それをもとに今後も自粛要請を継続するかどうかを判断する。

自動車メーカー各社は政府要請を踏まえ来週以降もテレワークを活用して感染防止対策を継続する。ホンダは東京地区の事業所の従業員を対象に原則として実施していた在宅勤務の期間も13日から20日まで延長する。スバルも在宅勤務推奨期間を今月末まで延長し、日産自動車やマツダも在宅勤務の推奨を来週以降も継続する。

メーカーが運営する一般向けの展示施設も臨時休館を延長する。トヨタ自動車は13日、トヨタ博物館(愛知県長久手市)を4月6日まで休館すると発表した。これまでは3月16日までの休館を予定していた。このほか、トヨタ会館(同豊田市)やトヨタ産業技術記念館(名古屋市西区)も休館を延長する。また、3月16日の営業再開を予定していたメガウェブ(東京都江東区)も当面休館することを決めた。

日産はグローバル本社ギャラリー」横浜市西区)の臨時休館期間を当初予定の15日から22日まで延長し、ホンダも14日に再開予定だった本社(東京都港区)1階ショールームのウエルカムプラザ青山の休館を22日まで延長する。スバルは2月29日から休館しているSTIギャラリー(東京都三鷹市)の再開時期を定めず来週以降も休館する。

入社式を中止する動きも相次いでいる。トヨタは、愛知県豊田市の本社で予定していた入社式を中止する。豊田章男社長が新入社員へのメッセージをインターネットで配信する。入社式の中止は1982年の工販合併以降初めて。昨年は社員や役員など1500人が出席していた。4月1日に新入社員に出社させるかどうか検討を進めている。

また、ホンダも4月1日に鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開く予定だった入社式をオンライン配信に切り替える。新入社員は5月11日まで自宅待機とし、その間に従来は対面で行っている入社後研修の動画を視聴させる。

UDトラックスも新入社員を出社させずに入社式の代わりにオンラインで会社の方針などを説明する。「歓迎の意思を少しでも感じてもらいたい」(広報部)とし、3月末までに配属先の組織図や同僚の顔写真などを歓迎のメッセージとともに配布する考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月14日掲載