2020年3月10日
モータースポーツにも影響 イベント中止やテスト無観客
新型コロナウイルスの感染拡大が、2020年シーズンの開幕を前にしたモータースポーツに大きな影響を及ぼしている。ファンイベントの中止や事前テストの無観客化、開幕戦を延期する決断も出始めた。一部のイベントでは購入済みチケットの払い戻しを行っているが、モータースポーツ関連イベントが少ない地方のファンからは「本当に残念、仕方がない。数少ない機会を減らさないでほしい」といった切実な声も上がっている。
全国の小中学校、高校などが一斉休校に入った2日、モータースポーツ業界ではシリーズ開幕戦を延期するアナウンスが相次いだ。鈴鹿サーキットなどを運営するモビリティランドは、3月21、22日に予定していたスーパー耐久シリーズの開幕戦、4月4、5日に行う予定だったスーパーフォーミュラ(SF)開幕戦を延期すると発表した。
SFは3月9、10日に実施予定だった鈴鹿サーキットでの事前テストも延期。スーパー耐久は2月29日に富士スピードウェイでテストを行ったものの、一般来場者のパドックへの立ち入りが禁止となった。
シリーズ開幕を前にしたファン向けイベントも軒並み中止になっている。3月7、8日に鈴鹿サーキットで行わる予定だったメーカーの垣根を越えたファンイベント「モースポフェス2020 SUZUKA~モータースポーツファン感謝デー~」が中止。14、15日に岡山国際サーキットで実施予定だった「ファン感謝デー&スーパーGT公式テスト」はファン感謝デーを中止し、公式テストのみ行うことを決定した。
4月3~5日に東京・渋谷で開催予定だった「モータースポーツジャパン2020」も中止に追い込まれている。4月11、12日に予定されているスーパーGT開幕戦についてのアナウンスは6日時点ではないものの、近くGTアソシエイションまたはサーキットから発表があるものと見られる。
今年のスーパーGTはトヨタ自動車が新型「スープラ」を投入するなど話題の多いシーズンだけに、ネット上では開幕戦の実施を心配する声が少なくない。ただ一方で「年間8戦しかないうちの1戦を無観客で行う意味はない。無観客開催ではなく延期にしてほしい」といった要望も散見される。
現時点で開幕戦の延期を決定したSFもスーパー耐久も代替戦の実施を検討しているが、現実的にはスーパーGTを含めた複数のシリーズにエントリーしているチームもある。さらに、シリーズ終了後の11月中旬から12月上旬にかけては、例年メーカー各社のファン感謝イベントが行われることもあり、スケジュール調整は困難を極めることになりそうだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞3月7日掲載