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2020年3月6日

電子制御装置整備認証 全指定工場で取得へオートバックス

オートバックスセブンは4月1日から始まる特定整備制度に関連し、2021年9月までに全国425拠点(2月末時点)の指定整備工場で電子制御装置整備認証を取得する。新たな点検基準が施行される来年9月以降も民間車検場として次世代自動車に対する保安基準適合証が交付できる体制を整える。カー用品の取り付け、分解整備はもとより、板金塗装も手掛けるオートバックス(AB)店舗におけるアフターサービスの付加価値向上につなげる。その他118拠点の認証工場についても取得可能な店舗から順次進める方針だ。

特定整備への対応に当たっては、店舗で使用する外部故障診断機(スキャンツール)の統一化を検討する。同社は指定、認証を含む全工場がすべてのクルマのエーミング(校正作業)に対応できるわけではないと見ている。そのため、スキャンツールの機種をそろえて作業工程を統一化し、ABグループとしてエーミングに対する作業スキルと知識を共有することで、グループ全体として整備技術の高度化を進めていく。

ただ、大都市圏と地方では店舗に入庫する車種も異なる。緊急自動ブレーキやレーンキープアシストといった先進安全技術を搭載したクルマが多く入庫するような店舗については、スペックの高いスキャンツールも配備するなど、地域特性に合わせた次世代整備の基盤を整える方針だ。

同社は19年5月、17年にスタートした中期経営計画に代わる新たな経営計画「5カ年ローリングプラン2019」を公表した。同プランでは、環境変化に対応したカーライフを提案する新たなネットワークづくりと基盤事業の見直しを進める方針を打ち出しており、この中で「次世代技術に対応する整備ネットワーク」の構築を掲げている。

AB店舗の特定整備対応は、このネットワークづくりの一環でもある。直営、FC加盟店を含むAB店舗が次世代整備ネットワークを展開することで、将来的には近隣の整備事業者からエーミングを請け負い、地域の整備需要をともにフォローしていくことも視野に入れている。指定工場の電子制御装置整備認証取得はその第一歩。「さまざまな切り口でオートバックスを利用していただく価値を提供する」(同社幹部)考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月3日掲載