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2020年3月5日

サポカー補助金申請開始へ 販売現場高まる期待

65歳以上の高齢ドライバーに衝突被害軽減ブレーキなどを備えた車の購入を補助する「サポカー補助金」の申請受付が今月から始まる。1月末に国会でサポカー補助金を盛り込んだ補正予算が成立した後、新車ディーラーでは2月から本格的な告知活動を進めている。販売現場では補助金による販売の押し上げ効果を期待する一方、「高齢者の新車への代替え提案はハードルが高い」と厳しい見方をするディーラートップもいる。さらに、国内で感染が広がる新型コロナウイルスが、感染リスクが高い高齢者を対象とした補助金の効果を弱める要因となりかねない。

サポカー補助金は、衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時急加速抑制装置を搭載する車に登録車で最大10万円、軽自動車で最大7万円を補助する。昨年12月の閣議決定以降、各メーカーは順次補助対象車種やグレードを公表している。総予算額は1127億円で、実施規模は約100万台に上る。新車は昨年12月23日以降に登録した車両が対象となるが、新車ディーラーではサポカー補助金を含む補正予算が成立した1月末から本格的な商談をスタートさせている。

販売現場からは「サポカー補助金の認知度はまだまだ低い」(都内ディーラーのトップ)といった声が聞かれ、まずは補助金制度の告知活動に注力している。一部では補助金の内容を事前に知らせた顧客が、2月になって購入を決めた例も出てきており、高齢者の引き合いが強まっているもよう。

一方で「補正予算成立を待つ顧客もいて、1月の新車販売を押し下げる要因の1つとなった」と指摘する声もある。2月以降、本格的な補助金効果が期待されるが、懸念されるのが新型コロナウイルスの影響だ。政府が市民への不要不急な外出を控えるよう呼び掛ける中、一部ではサービス入庫予約や商談のキャンセルも発生しているという。サポカー補助金の対象は感染リスクが高い高齢者であるだけに、新型コロナウイルスの影響は避けられそうにない。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月2日掲載