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2020年2月7日

自技会会長 自動運転の標準化強調

自動車技術会の坂本秀行会長は1月31日に都内で会見を開き、自動運転の国際標準(ISO)化活動において「日本の技術や知見をISO化していく」方針を改めて強調した=写真。今年国内で実用化されるレベル3の試験方法の標準化においては、車線変更や分流・合流など道路の入口から出口までの間で起きる要件を定義し、その上で他の車がどう動くかを予測することがキーになる。

また、自動バレー駐車システムの標準化ではインフラと協調し、制御の役割分担をする技術が求められることになる。「ISO化においては相当な部分で日本がリードしている。自技会としてもさらに具体的な内容を提案していく」(坂本会長)考えだ。

自技会は国内外における自動運転の技術や評価、試験方法の標準化事業を担っている。国際基準を策定する上で日本がリーダーを務めているテーマは複数あり、中でも「モーターウェイショーファーシステム(レベル3)」は今年日本で実用化が見込まれている領域だ。車線変更や合流など自動車専用道路上での発生要件を定義し、その上でV2X(車車間・路車間通信)を活用した車両の誘導や譲り合いなどの技術を加えた試験方法が求められるという。

自動運転システムの安全性の検証においては、「故障や悪天候など、車両やその周囲が危険な状態でも正しく対処できるかを評価することが重要」(同)になってくると見通す。評価を行うには、現実世界で発生した事故や危険事案を抽出してテストシナリオを作成し、まずはデジタル世界で検証する必要がある。自技会としては「シナリオ上での評価基準や検証内容が国ごとに異なっていては合理性がない。日本の基準がスタンダードになるよう活動していく」方針を示している。

また、レベル4に位置付けられる自動バレー駐車においては、カメラやセンサーといった駐車場インフラとの協調に加え、車両の予約や呼び出しといった駐車以外のサービス全体で標準化が必要になってくると見ている。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞2月4日掲載