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2020年1月24日

スバル 電動車比率4割に

スバルは20日、2050年までに新車平均の走行時二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で90%以上削減する目標を公表した。目標を達成するために、30年代前半までに生産・販売する全ての車種を電動車両にする。中村知美社長は「アライアンスも活用していく」と述べ、20年代中盤にトヨタ自動車の技術を利用し、初のストロングハイブリッド車を投入する計画も明らかにした=写真。電動車のラインアップを拡充し、30年までに世界販売に占める電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)の比率を40%以上に引き上げる。

「スバルらしい個性と技術革新で脱炭素社会を実現する」。中村社長は20日に開いた技術説明会でこう宣言し、CO2の削減目標とそれを実現するための技術ロードマップを発表した。

スバルは12年にマイルドハイブリッド技術「eボクサー」を投入したが、ストロングHVの投入を見送ってきた。新たに開発するストロングHVは、トヨタのHVユニットとスバルの水平対向エンジンやAWDの技術を組み合わせ、独自の縦置き型HVシステムを採用する。燃費性能の向上だけではなく、走行性能を追求し、他社との差別化を図る。凍結路面の場合、前輪駆動(FF)車は回生効率が低下するものの、直結AWDの特徴を生かし、圧雪路面での回収効率はFF比で30%向上できるという。

また、20年代前半にはトヨタと共同開発する電気自動車(EV)も投入する。ただし、「EVがすぐに普及するとは思っていない」(大拔哲雄取締役専務執行役員最高技術責任者)といい、30年時点ではHVが電動車の多くを構成するとみている模様だ。

スバルはこれまで電動車への対応では遅れていた。環境規制厳格化が進む中、電動化へと本格的に舵を切る。後発のスバルが電動車の市場でも存在感を示せるか。スバルらしさをどれだけ商品に付加できるかが重要になりそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞1月21日掲載