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2020年1月1日

新年のご挨拶  内山田 竹志会長(日本自動車会議所)

新年のご挨拶
一般社団法人 日本自動車会議所
会長 内山田 竹志

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご高配を賜り、心から御礼申し上げます。

昨年は、今上陛下のご即位とともに、新たに「令和」の御代を迎え、新しい時代の幕が開けました。本年はいよいよ7月に東京オリンピック・パラリンピックが開幕します。世界からわが国に注目が集まるこの流れを積極的に活かし、この一大イベントをステップとして、皆さまと一つになって明るく輝かしい未来と日本を創造してまいりたいと、思いを新たにしております。

一方、昨年は未曽有の台風が列島を縦断し、甚大な被害をもたらすなどつらい出来事もありました。われわれ自動車業界も被災しましたが、各地でHVやPHV、EV、FCVといった電動車の提供、食料やガソリンなどの支援物資の緊急配送、寸断された鉄道の代替輸送などにより、自動車業界としても復旧のお手伝いをさせていただきました。

こうした台風の影響などにより、消費税増税後の10月の新車販売台数が前年比25%減と大きく落ち込みましたが、翌月以降は回復基調にあり、2019年トータルで500万台超えを達成する見通しとなっております。引き続き販売動向を注視していく必要がありますが、これからも自動車ユーザーから要望の強い安全装備や環境性能に優れた、魅力あるクルマを投入し、市場活性化に努めてまいります。

昨秋、自動車税創設以来の恒久減税が実施されるなど、新しい自動車税制がスタートしました。自動車関係諸税の抜本改正に向けた大きな1歩を踏み出すことができたと評価しております。

昨年末に発表されました令和2年度税制改正大綱では、自動車関係諸税については、引き続き「技術革新や保有から利用への変化等の自動車を取り巻く環境変化の動向、環境負荷の低減に対する要請の高まり等を踏まえつつ、国・地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提に、その課税のあり方について、中長期的な視点に立って検討を行う」こととされました。新たなモビリティ社会に向けて自動車は大きく進化しようとしており、今後、自動車税制も新たなステージで議論される見通しです。

しかし、足元では、税負担軽減を求める自動車ユーザーの声は、依然として極めて強いのが現状です。私どもは一層のユーザーの「負担軽減・簡素化」の実現を目指して、引き続き一丸となった活動を続けていく所存です。

また、当会議所も深くかかわる「自動車損害賠償保障制度を考える会」が、被害者救済の重要性とともに、自賠責保険料積立金の一般会計からの繰り戻しを訴え精力的に活動した結果、増額の上、3年連続となる繰り戻しが実現いたしました。しかし、約6,000億円にものぼる本積立金の早期返済にはまだ道のりは遠いのが現実であり、今後とも関係の方々からの変わらぬご支援ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

加えて、当会議所は、経済産業省と国土交通省とともに、「サポカー」の普及促進にも努めておりますが、高齢者を対象にした政府の補助金制度も今年から新たにスタートすることとなりました。交通事故死傷者数は減少基調にあるものの、社会問題ともなっている高齢者の交通安全関連の事業も積極的に推進してまいります。

自動車産業は今、「CASE」や「MaaS」といった新たな潮流が押し寄せる、激しいグローバル競争の中、異業種も巻き込んだ100年に一度とも言われる大変革期を迎えており、その変化のスピードはこの瞬間にも加速する一方です。

来たる東京オリンピック・パラリンピックでは、昨年の東京モーターショーでご覧いただいたようなクルマが会場周辺を往来し、世界に向けてクルマの可能性と新たな魅力が発信されます。そして、そのチャレンジ精神と創造力は、これからの日本のものづくりや自動車産業へしっかりと受け継がれていくものと確信しております。

「総合団体」たる当会議所においても、新しい時代の日々刻々と進む変化を的確にとらえ、期待される役割や活動に取り組んでいかなければ、決して生き残ることはできません。

来年の2021(令和3)年、当会議所は創立から三四半世紀となる75周年記念を迎えます。戦後のわが国自動車産業の歩みを振り返り、将来を展望するよい機会となるよう、私どもが具体的にできることを準備する1年にしてまいりたいと考えております。

最後になりましたが、この1年の皆さまのますますのご繁栄とご活躍をお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

以上

 

カテゴリー 会議所ニュース
対象者 自動車業界