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自動車産業インフォメーション

2019年12月30日

経産省 新モビリティの普及促進 高齢者の事故リスク減 安全講習や製品貸し出し

経済産業省は、高齢者の新たな移動手段の確保に向けて、電動アシスト自転車や電動車いすなど多様なモビリティの普及支援事業を展開する。

市町村が中心となり、電動アシスト自転車の安全講習会を開いた上で、60歳以上の人に3カ月程度製品の貸し出しを行う。実際に一定期間乗ってもらうことで、電動アシスト自転車の認知度向上を狙う。製品に取り付けた端末から移動データを集めて、モビリティの普及促進策やまちづくりにも生かす。

高齢ドライバーによる交通事故が社会問題化するなか、自家用車以外の移動手段の選択肢を増やすことが課題となっている。経産省が今年開催した「多様なモビリティ普及推進会議」では、超小型電気自動車(EV)や電動アシスト自転車、電動車いす、電動キックボードが新たな移動手段として挙がった。

自動車以外にもさまざまなモビリティがあり、近距離移動の手段として利用が広がれば、高齢運転者の事故リスクを減らせる。ただ、新モビリティは認知度が低く、利用する人が少ないことが課題となっている。

経産省が今年度から始める新たな支援事業は、電動アシスト自転車と電動車いすの普及に焦点を当てる。19年度補正予算案で約8億円を確保した。

電動アシスト自転車については、安全講習と製品の貸し出し事業を行う自治体に対して必要な製品の購入などへの支援を行う。自転車に対する基本的な交通ルールや乗り方などを実技と学科を通じて再教育。合格した人に対して電動アシスト自転車を約3カ月間貸し出す。

合意が得られれば、貸し出し車両にIoT(モノのインターネット)端末を取り付け、利用状況に関するデータを集める。近距離の移動手段としてどれだけ利用回数が増えたかや行動範囲への影響を見る。取得したビッグデータは今後の普及策やまちづくりに使う考え。実証は20年度末まで行う方針。

電動車いすについても都市部や空港、観光地などでの利用拡大に向けた実証を行う計画だ。

日刊自動車新聞12月27日掲載

カテゴリー 交通安全
主催者

経済産業省

対象者 一般