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自動車産業インフォメーション

2019年12月23日

JEITA 世界生産額が過去最高、19年の電子情報産業 5Gの世界需要、30年に18年比300倍

電子情報技術産業協会(JEITA、遠藤信博会長)は18日、都内で会見を開き、電子情報産業の世界生産見通しと第5世代移動通信システム(5G)の世界需要額見通しを発表した。

電子情報産業の2019年の世界生産額は前年比1・2%増となる2兆9219億㌦と過去最高を見込み、5Gの世界需要額は30年に168兆3千億円(18年比で約300倍)になる見通しを示した。

会見には遠藤会長=写真=が出席し、19年の振り返りと今後の市場予想を示した。電子情報産業の19年の世界生産額について遠藤会長は「データ利活用の高度化・自動化でソリューションサービスが好調だったが、世界経済の先行き不透明感の拡大による投資抑制などから電子部品や半導体が前年実績を下回る」とし、世界生産額は微増にとどまるとした。一方、20年は引き続き先行きに懸念があるものの、「世界各国での5Gの進展やIT投資の拡大が期待される」(同)ことからプラス成長で3兆807億㌦となり、過去最高を更新する見通しを示した。

19年の日系企業の世界生産額は約37兆4千億円を見込む。パソコンなどの国内需要はあったものの、半導体と電子部品の需要の減少で前年比2・8%減となった。「IoT(モノのインターネット)の高機能化による新たなビジネスの創出で需要の増加が期待できる」(同)として、20年は同2・0%増の約38兆1千億円になると見込む。

一方、5Gの世界需要額は年平均63・7%増で成長し、30年には168兆3千億円となる見通し。遠藤会長は「5Gの特性である超高速大容量・超低遅延・多数同時接続を生かし、民生、産業を問わず、新たなサービスが生まれる」と話した。

品目別では、IoT機器は自動運転車やロボット、ネットワークカメラなどが需要をけん引し、ソリューションサービスにおいては製造、金融、流通・物流などが需要をけん引する。

また、クローズドな空間でプライベートに利用できる「ローカル5G」の世界需要額は年平均65・0%増で成長し、30年には10兆8千億円に拡大する見通し。日本では30年に1兆3千億円の需要額を見込む。「機密情報を高セキュリティーで担保でき、通信の安定性が高い」(同)ことから、無線化が進んでいなかった工場や建設現場、病院などに導入が進むとみる。

日刊自動車新聞12月19日掲載

開催日 2019年12月18日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

電子情報技術産業協会

対象者 自動車業界