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2019年12月18日

EV・PHVの蓄電機能を新たな商機に FIT終了で

住宅用太陽光発電の余剰電力を固定価格で買い取る制度(FIT)が11月から順次終了するのを受け、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の蓄電機能が注目されている。経済産業省は買い取り期間満了後の選択肢として発電した電気を蓄電できるEVやPHVの活用を推奨しており、自動車業界も商機として捉えている。需給一体型の再生エネルギー活用を推進する有効な手段として、「卒FIT」を機に充電・給電機能を備えた電動車の普及が進む可能性がある。

住宅用太陽光発電の余剰電力を高く買い取る制度は、再生エネルギーの活用を促進するため、2009年に開始された。10年の買い取り期間が今年11月から順次終了し、卒FITする家庭が増えていく。

資源エネルギー庁によると、19年12月末までに卒FITする住宅用太陽光発電は53万件、23年までに165万件に達し、これらが自家消費または自由売電に移行することになる。

一般的に太陽光パネルは20~30年間にわたって発電することが可能であり、経産省は卒FIT電力が出てくることで新たなビジネスモデルが登場する契機になるとみている。家庭用太陽光発電の余剰電力を貯める蓄電池や、貯めた電力を最適制御するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)などが、自家利用を普及させる中核技術となる。

定置型の蓄電池を購入することなく、EVやPHVの車載電池を代替して家庭で利用できるのが「V2H(ビークル・トゥ・ホーム)」だ。三菱自動車は10月、太陽光パネルやV2H機器などのシステムをパッケージ化した「電動ドライブハウス」を一部地域で販売を開始。日産自動車は、太陽光発電メーカーのカナディアン・ソーラー・ジャパンと協業し、EV「リーフ」共にエネルギー蓄電ソリューション「ソリーヴライド」を提案している。移動手段だけにとどまらない、EVやPHVの活用方法を訴求して新たな需要を開拓する狙いだ。

日刊自動車新聞12月16日掲載

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