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2019年12月16日

経産省、CASEの協業推進へ複数社でプロジェクト

経済産業省は、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)時代の到来を見据え、自動車産業内で協調領域の深化・拡大を促す。自動運転の安全性評価や半導体、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)、素材など、重点開発分野を2019年度内に定め、来夏までに複数企業による共同の開発プロジェクトを立ち上げる方針だ。予算措置も視野に入れ、生き残りに不可欠な先行投資を業界全体で取り組むよう後押しする。

経産省は、CASEに関する技術開発の方向性を定める会議体「CASE技術戦略プラットフォーム」を新設し、11月上旬に初会合を開いた。自動車メーカーや半導体・金属を含めたサプライヤーなど約10の自動車関連企業・団体が参加した。

CASE対応を巡っては業界内で危機感がある一方、次世代技術の本格普及の時期が見通せず、投資に大きく踏み切れない企業がある。各社の投資に対する温度差を縮め、協調できる分野では同じ方向を向いて取り組むよう促す。会議を通じて、個社では対応しきれない技術開発テーマを複数社で共有して、共同開発につなげる。

例えば、自動運転車の安全性評価は、膨大な数のシミュレーションをこなす必要がある。自動車メーカーやサプライヤーなど複数社で共同開発できれば、各社が得意とするセンサーのノウハウを持ち寄り、シミュレーションの精度を向上することや車両目線での開発も可能になる。

このほか、複数の車載機器を統合制御する半導体の開発や軽量化・燃費向上に貢献する新素材、車載電池のリユース分野で協調領域を見出す。今後、車の差別化の重要な要素となるHMIについても、共同で開発できるエリアを模索する。

今年度末までに、詳細な重点分野を決める。このとりまとめを踏まえ、20年4月から夏までに、複数プレーヤーによる共同プロジェクトの立ち上げを目指す。プロジェクトについては、研究開発や技術標準化、規制のあり方をテーマとしたものが想定される。

経産省としては、今後発足するプロジェクトに対して21年度の予算で支援をしていく考えだ。

日刊自動車新聞12月12日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

経済産業省

対象者 自動車業界