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2019年12月14日

日刊自連載「車新世界」(5)OEM車

車種ラインアップの穴を効率的に埋め、多様な顧客ニーズに対応するためにOEM(相手先ブランドによる生産)車を活用する動きが広まっている。国内自動車メーカーではホンダを除く11社が何らかの形でOEM供給の提携を結んでおり、特に軽自動車や商用車ではメーカー間の商品補完が進んでいる。

OEM車が増える背景には、電動化や自動化といった次世代技術への対応で積み上がる研究開発費がある。商品力強化や規制対応のための開発投資を回収するには、一定の販売ボリュームを確保する必要があり、国内専用車である軽自動車と生産量が限られる商用車では、OEM供給する側、調達する側の双方にメリットがある。2012年に軽生産から撤退し、登録車開発に特化して商品力と収益力を高めたスバルが顕著な例だ。

OEMで商品補完を加速しているのがトヨタ自動車だ。ダイハツから供給を受ける「ルーミー/タンク」や「ライズ」は、ダイハツ以上の販売台数を誇る。マツダへの商用車供給をはじめ、スズキともインドで車両相互供給を開始するなど、〝仲間づくり〟の枠組みで効率的な商品の仕込みを進めている。

OEMとは異なるがトヨタとスバルの「86/BRZ」、日産自動車と三菱自動車の「デイズ/eKシリーズ」といった両社の技術や知見を活用した共同開発車も登場している。トヨタは「スープラ」でも独BMWと提携し、86/BRZと同様にスポーツカーの採算を確保を図った。共同開発は、開発コストがかさむ電気自動車でますます加速していく見通しだ。=おわり=

日刊自動車新聞12月11日掲載

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