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2019年12月13日

近畿11月新車14%減 2カ月連続前年割れ マイナス幅縮小 需要喚起へ取り組み 来店客回復の傾向も

近畿2府4県の11月の新車販売台数は登録車と軽自動車の合計が前年同月比14・0%減の5万6120台となり、2カ月連続で前年を割り込んだ。10月に比べ落ち込み幅は縮小したが、依然2桁減の厳しい状況が続いている。消費増税の影響は大きいが、新型車を持つ一部のディーラーは店頭来場が回復し、受注にもつながっているようだ。年末商戦に向けて新たな対策を講じる動きも出始めるなど、需要喚起の取り組みが活発化している

◆滋賀県
滋賀県11月の新車販売台数は軽自動車が前年同月比1桁減と他府県に比べ落ち込み幅は少なかったものの、登録車と軽自動車合わせて5200台レベルにとどまり、実績を800台近く割り込んだ。

一部ディーラーでは前年実績を大きく上回る受注を確保しているが、多くは消費増税後の客足の鈍さに販売苦戦を強いられている。半面、新商品の発売や受注残を抱えた銘柄の堅調さが際立つ状況だ。なかでもダイハツは「新型ロッキー」の発売で登録台数は実績比倍増をみせた。また、輸入車・その他も実績を上回る水準を確保している。

◆京都府
京都府11月の新車販売台数は前年同月に比べ16%減の7300台レベルにとどまった。ダイハツが登録車で実績を大きく上回る販売を示すなど、コンパクトSUV「ロッキー/ライズ」の発売がけん引している。暦年(1~12月)の新車販売は前年実績の10万1千台水準を維持する見通しが強まった。

一部で客足の回復がみられるものの、依然として受注は鈍い。ディーラー関係者によると、前年同月実績の3割程度受注が落ち込んだままという。ただ、「消費者の様子見」との見立てが多く、新商品の発売とともに需要は底堅く回復するとの見通しが広がっている。

◆大阪府
登録車と軽の合計は前年同月比13・7%減の2万1321台だった。10月からは数字を回復したが、全国平均の12・7%減を下回り、2カ月連続で前年を割った。登録車、軽ともに2桁減を記録。登録車でプラスを確保したのはレクサスとダイハツの2銘柄。軽はマツダのみが前年を上回った。

一部のブランドでは新型車が投入され、上積みがあったものの全体的には厳しい環境が続く。本格的な市場の回復までは時間がかかりそうだ。あるディーラーの役員は「新型車の投入が相次ぐ2月ごろまでは、現状が続くのではないか」と懸念を示す。

◆奈良県
登録車と軽の合計は2カ月連続のマイナスとなる前年同月比11・2%減の3941台だった。26・7%減を記録した10月からは15㌽以上数字が回復したものの、2桁減が続いた。消費増税の反動減などによる客足の停滞を懸念する声が増えており、逆風は当面続きそうだ。

あるディーラーの幹部は「11月も客足が明らかに鈍かった」と明かす。販売結果にもその影響が顕著に表れており、ほぼすべての項目が2桁減を記録した。市場の回復時期は見通しづらいようだ。業界関係者は「早くても2、3月ころまでかかるのではないか」と予測する。

◆兵庫県
兵庫県の11月の新車販売台数(軽を含む)は、前年同月比13・1%減の1万5243台だった。内訳は、登録車が13・3%減の9530台、軽は12・6%減の5713台だった。登録車、軽ともに2カ月連続減となった。

乗用車系はレクサス、三菱、ダイハツがプラスとなったほか、商用車系では唯一、日野がプラスだった。軽では日産系が46・2%増で大幅なプラスだったほかは、各ブランドでそれぞれマイナスとなった。

各販社では、モデルによっては対前年比でプラスとなっているケースがある一方で、市場をけん引するようなモデルが少なく、混戦模様が続いている。

◆和歌山県
和歌山の11月の新車販売台数(登録車+軽自動車)は前年同月比19%減の3028台と前月に引き続き大幅のマイナスとなった。内訳は登録車が21・7%減の1483台、軽が16・3%減の1545台となり消費増税などが要因で和歌山も厳しい状態が続きそうだ。

登録車では、レクサスとダイハツ、スズキがプラスを確保した。コンパクトカーの一部は前年を上回ったが全体的に伸び悩んだ。軽ではトヨタ以外が前年同月を下回る結果となった。

日刊自動車新聞12月10日掲載

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開催地 近畿地区
対象者 自動車業界