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2019年12月13日

ドライブレコーダーで逆走防止 国交省、高速道で来月実証 検知しやすい標識も

国土交通省は、ドライブレコーダーを使った高速道路の逆走対策に着手する。自動車メーカーなどと連携し、2020年1月から埼玉県内の高速道路を使った実証を始める。

車載カメラで逆走を検知し、カーナビで警告する技術を検証。既販車への後付けや新車へのオプション装着が進むドライブレコ―ダーの有効性を確認できれば、より多くの車の安全対策につながるとみている。カメラが検知しやすい逆走標識のデザインも検証する考えだ。

国交省は9月に「高速道路における安全・安心基本計画」を策定し、29年までに逆走による重大事故をゼロにする目標を掲げた。18年に発生した逆走事故件数は32件で、16年(57件)から約4割減少した。

ただ、高速道路の逆走は死亡事故につながるケースが多い。今月1日には群馬県渋川市の関越自動車道で、高齢者が運転する軽自動車が逆走して乗用車と正面衝突し、軽自動車のドライバーが死亡する事故が起きた。国交省は、逆走対策として車両技術を活用する。市販品の普及や新車でオプション装着が進むドライブレコーダーに着目。カメラで逆走の標識を検知し、カーナビの表示や音声を使ってドライバーに警告する技術の有用性を確認する。

東日本高速道路(NEXCO東日本)などと協力し、東北自動車道上り線の旧蓮田サービスエリア(埼玉県蓮田市)で逆走防止対策試験コース(約200㍍)を整備。規制標識や進入禁止看板、逆走抑制装置などを備えるこのコースを使って技術検証を行う。

自動車やドラレコ、カーナビメーカーなどを対象に実証参加者を12月下旬まで募集し、約10社を選定する。20年1月から同9月下旬まで行う。
実証を通じて、ドライブレコーダーとカーナビが連携したシステム開発や精度向上を狙う。また、ドライブレコ―ダーが検知しやすい逆走の標識パターンをあぶりだし、ユニバーサルデザインのような統一表示についても検討する。

日刊自動車新聞12月10日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 一般,自動車業界