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2019年12月12日

NEDO、水素の製造と国際輸送で 20年に大型プロジェクト

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2020年に水素の製造と輸送に関する大型プロジェクトを本格始動させる。同年3月に福島県内に建設中の再生可能エネルギー由来の水素製造施設が竣工し、同7月にも供給試験を始める。

また、国をまたいだ水素の輸送実証も立ち上がり、海外で調達した水素を海上輸送し日本国内で活用することを試す。水素の利活用拡大に向けた課題をあぶり出し、商用化につなげる。

経済産業省は今年3月に水素・燃料電池戦略ロードマップを改訂し、車両やインフラなど項目ごとの具体的なコスト削減目標を定めた。また、政府の水素基本戦略では30年までに水素の供給コストを30円/ノルマルリューベにすることなどをターゲットとしている。

水素の利活用を巡る国際的な取り組みも出ている。今年9月に都内で開いた35カ国・地域による水素閣僚会議では、各国の行動指針として今後10年間に全世界でFCVやFCフォークリフトなど燃料電池モビリティを1千万台導入する目標を打ち出した。

政府のロードマップの達成や国際社会での日本の優位性を保つため、NEDOは水素サプライチェーン構築に向けた技術開発を加速する。

福島県浪江町で「福島水素エネルギー研究フィールド」が来年3月に竣工する。太陽光など再エネを中心に利用した水素製造施設で、ここで生成した水素はFCVやFCバス、工場などさまざまな用途に使われる。20年3月に製造と出荷に着手し、同7月に水素供給試験を開始する。20年度までを実証期間とし、再エネ由来の水素製造方法の確立を目指す。

国際間の水素サプライチェーン構築に向けた海外との連携プロジェクトも始める。海外から安価に仕入れた水素を日本の拠点に送り、国内で使うため、ブルネイやオーストラリアと連携。20年から海上輸送の実証に着手し、船を使い水素を安全に運ぶ手段を確立する。

日刊自動車新聞12月9日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

新エネルギー・産業技術総合開発機構

対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界