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2019年12月9日

JTB主導のMaaS協議会 鳥取、島根県の観光振興狙い乗り放題パス 訪日客に特化しアプリで提供

アプリの利用画面

山陰の鳥取、島根県の観光振興を目的としたMaaS(サービスとしてのモビリティ)がスタートした。旅行会社最大手のJTBが中心になって組織した「山陰地域観光MaaS協議会」(福井善朗代表理事)が2日から来年3月までの期間限定で「3日間公共交通乗り放題パス」を、訪日旅行者向けのスマホアプリ上で販売する。

従来の紙ベースのサービスを電子化すると同時に、鳥取版と島根版を一本化した。訪日客のみを対象とし、山陰両県の公共交通機関を3日間乗り放題で使うことができる。さらに、アプリ上での決済を可能にし、経路検索との連携や、地図による施設案内、飲食店のクーポン付与などの特典を設けた。インバウンドに特化したMaaSとして注目を集めそうだ。

今回の取り組みは、国土交通省がMaaSの先進的な取り組みとして全国で19件を選定した先行モデル事業の1つ。中国地区では3番目の試みで、12月2日から来年3月15日まで実証実験を実施する。その後もサービスを継続する予定だ。

山陰地域観光型MaaS協議会はJTBのほか、鳥取県、島根県、米子市、境港市、松江市などの自治体、日本交通、日の丸交通、一畑電車、一畑バスなど公共交通事業者など30団体で構成する。これにより、電車やバス、タクシーなどあらゆる移動サービスの予約や決済を一つのプラットフォームに乗せ、アプリで使える体制を整えた。

具体的には、2017年から訪日外国人向けに提供するアプリ「Visit SAN’IN TOURIST PASS」で3日間公共交通乗り放題パスを新規に販売する。料金は大人2500円、子ども2千円。外国人観光客など利用者は鳥取県、島根県東部の移動を用途に応じ、バス、タクシーなどをシームレスに使い分けることができる。これにより、山陰での外国人観光客の広域周遊促進、消費拡大にも結び付ける。

3日には米子市の米子鬼太郎空港で販売開始セレモニーを開催した。2日には海外からの到着便がなかったため、実質的に3日からの開始となった。先着10人までの希望者に無料でパスを贈呈した。福井代表理事は「スマホでの決済やサービス連携などの機能を付与し、利便性が一気に向上した。実証実験を通じ、さまざまな課題を関係各機関とともに解決したい。山陰地区の年間観光客数(19年目標=宿泊者30万人)を1桁増やすぐらいに期待している」と話す。

日刊自動車新聞12月5日掲載

開催日 2019年12月2日
カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

山陰地域観光MaaS協議会

開催地 鳥取県、島根県
対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界