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2019年12月7日

日刊自連載「車新世界」(上)完成車メーカー

自動車業界の全域で再編が進んでいる。欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏グループPSAが経営統合を決め、サプライヤーでは日立製作所とホンダの傘下部品メーカー4社が来年に統合。成長領域のモビリティサービスにおいても競合と仲間づくりの流れは速い。各分野の状況を図解する。

電動化・自動化・共有化などの次世代商品やサービスへの莫大な先行投資を迫られる中で、完成車メーカーは「規模の論理」を無視できなくなっている。「400万台クラブ」の争いと言われた1998年のダイムラー・クライスラー誕生当時に比べ、米中IT企業をはじめとする既存業界外のパワーと影響力は強まり、車づくりは高度なテクノロジーを内包する難度の高いビジネスに変容した。「より良いものをより安く提供する」ための陣営づくりが生き残りを左右する状況になっている。

FCAとグループPSAの経営統合は、まさにこの競争環境が両社の背中を押した。FCAは2019年5月にルノーへ経営統合を提案し、日産自動車、三菱自動車を合わせた4社で世界首位連合を目指したが、ルノーの筆頭株主である仏政府の介入によって破談となった。PSAとの経営統合合意はそのわずか4カ月後だった。

一方、18年世界首位のVWは、グループの総力を挙げて電動化へと突き進む。トヨタは異業種も含めた「仲間づくり」を進め、電動化、自動運転、コネクテッド、シェアリングを軸に新たなビジネススタイルへの変身を目指す。ホンダや現代自動車など独立色の強いメーカーの次の一手が焦点の一つとなっている。

さらに、世界最大の中国市場ではメーカー過剰が表面化。現地資本、外資を交え、生き残り競争も本格化するとみられる。

日刊自動車新聞12月4日掲載

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