2019年12月2日
山口県で高齢者交通事故対策進む
高齢化が進行する山口で高齢者の交通事故防止に関する取り組みが活発化─。
日本自動車販売協会連合会(自販連)山口県支部(安井久則支部長)や山口ダイハツ(鈴木英樹社長)が相次いで催しを実施した。安全運転サポート車(サポカー)訴求や衝突被害軽減ブレーキなど先進安全技術を紹介し、普及促進に結び付けていく。
参加者からは一様に驚きの声が上がり、一定の成果を残した模様だ。県内では公共交通機関が未発達で、車が移動手段として不可欠。それだけに、高齢者の交通事故防止に懸命の取り組みが続く。
国内全体で少子高齢化が進展する中で、山口県ではとくに事態が深刻化している。厚生労働省の2014年の都道府県別調査で県内の65歳以上の高齢化率は全国ワースト4位の31・3%。これが40年には4割近い38・3%まで高まる見通しだけに、高齢者の交通事故防止は喫緊の課題だ。
自販連山口県支部は9日、山口市の山口きらら博記念公園多目的ドームでのイベント「令和元年山口県警察視閲式」に協賛し、サポカー体験会を開いた。会員の山口スバル、山口トヨタ、山口ダイハツが車両を提供した。参加者に衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制制御装置、自動駐車機能などの体感を促した。村岡嗣政山口県知事も訪れ、芳野功山口県警交通企画課事故抑止対策官がサポカーの説明を行った。参加者からは「操作ミスが発生した時にサポカーだと安心だ」などの声が上がっていた。
同支部は16日、防府市の山口県高等学校での内閣府主催の「令和元年度高齢運転者交通安全推進事業」にも協賛し、サポカー体験会を開催した。地域の高齢者の指導的立場の50人が参加した。会員の山口トヨペット、トヨタカローラ山口、山口三菱の3社が車両を提供した。当日はサポカー体験以外に健康体操教室なども実施した。参加者からは「1度の事故防止でサポート機能追加代は元が取れる。次回購入時にはぜひ追加したい」などの声が上がっていた。
山口ダイハツは20日、長門店で長門市や日本理学療法士協会などと連携した「健康安全運転講座」を開催した。長門市深川地区在住の60~70歳代の20人が参加した。企業としての社会貢献の一環で、地域の消費者の健康サポートにつなげるのが狙い。当日は正しい運転姿勢と車の死角確認、衝突被害軽減ブレーキのスマートアシストなどの同乗試乗を実施した。認知症チェックや運転能力の維持向上に役立つ健康指導なども行った。「衝突被害軽減ブレーキはぶつかると思ったが、機能して驚いた。今後購入の際には検討したい」(76歳男性)などと感想を話している。
日刊自動車新聞11月28日掲載
開催日 | 2019年11月9日 |
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開催終了日 | 2019年11月16日 |
カテゴリー | 交通安全,展示会・講演会 |
主催者 | 日本自動車販売協会連合会(自販連)山口県支部、山口ダイハツ |
開催地 | 山口きらら博記念公園多目的ドーム(山口市)、山口ダイハツ長門店(長門市) |
対象者 | 一般,自動車業界 |