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自動車産業インフォメーション

2019年11月29日

国交省、特定整備 経過措置対象公表

電子制御装置搭載車のバンパー、グリル脱着も特定整備の対象作業となる

整備業界で混乱が生じていた特定整備における電子制御装置整備認証の経過措置について、その対象が明らかになった。

国土交通省は25日に公表した中間とりまとめの中で、「現に電子制御装置整備に相当する事業」はエーミング(機能調整)作業であると明記。改正道路運送車両法の施行の際、同作業を行っている整備事業者が経過措置の対象となる。また、分解整備を行うためにバンパー脱着(エーミングは非実施)などを行っている事業者についても経過措置の対象に加え、法施行後も同じ作業に限り継続して実施できるようにする。

電子制御装置整備を巡っては、同省が10月に中間とりまとめ(案)を公表して以降、一部の整備事業者の間でバンパーやグリル交換が同整備に当たるとの認識が広がり、その正否に関して混乱が生じていた。

電子制御装置整備は中間とりまとめ(案)において、自動運行装置の取り外しや作動に影響を及ぼすおそれがある整備、自動ブレーキやレーンキープアシストなどに使われるカメラやミリ波レーダーなどを取り外して行う整備、ECUの機能調整に加え、バンパーやグリル、窓ガラスを脱着する行為が対象となると記載されている。

同省整備課は「バンパーやグリル、ガラス交換とエーミングはワンセット」としており、今回公表した最終の中間とりまとめでも経過措置の対象作業を明確に示すことになった。

ただ、認証取得の準備期間として4年間の経過措置を設けるため、期間中は認証を取得しなくても、法施行前にエーミングを行っていた事業者については継続して作業ができるようにしている。

一方で、経過措置の対象を現にエーミング作業を行っている事業者に限ってしまうと、例えばエンジンの積み下ろしなどでバンパーを脱着している整備事業者が対象外となってしまう。

このため、中間とりまとめでは「改正法の施行の際に行っていた作業の範囲に限り、経過措置を認めることが望ましい」と追記。法施行後もバンパーやグリル交換が行えるようにした。

それでもこれは経過措置期間中の対応。4年後までには分解整備に伴うバンパー脱着作業であっても、電子制御装置整備認証を取得しなければならない。

日刊自動車新聞11月26日掲載

開催日 2019年11月25日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界

特定整備、外注取り扱い明らかに 国交省 環境整備へ柔軟な対応

分解整備の対象範囲を拡大し名称を変更した「特定整備」に関連し、新設する「電子制御装置整備認証」における外注の取り扱いが明らかになった。

国土交通省は25日に公表した「特定整備制度の方向性 中間とりまとめ」で、認証取得工場同士や認証取得工場から非認証工場、作業の一部を外注するケースなど、事業形態に応じた8つのパターン(別表)を初めて例示。それぞれのパターンでの作業責任を明確化し、車体整備事業者やガラス事業者などを含む整備事業者において、エーミング作業をはじめとする電子制御装置整備が幅広く行われるための環境を整える。 同省は現在の分解整備と同様に、電子制御装置整備においてもすべての作業(整備作業の実施から管理、記録簿への記載などすべて)、作業の一部(バンパー交換やエーミングなど)を工場間で外注する形態が発生すると見ている。

 そのため、25日に公表した中間とりまとめでは「電子制御装置整備の作業責任が明確となるよう留意しつつ、必要であるものに限って柔軟な対応を行うことが適当」と明記した。

 その上で、8つの外注パターンを示した。認証取得工場①が別の認証取得工場②にすべての作業を外注するパターンについては外注先の②が作業責任を負う。①は②が記載した特定整備記録簿の写しをユーザーに交付する。

 ①が作業の一部を②に外注するパターンの作業責任は①。例えば、認証工場の①が車体整備工場の②にバンパー交換などを外注した後、エーミングは①で実施するケース、逆パターンも想定している。

 また、電子制御装置整備に限り、保安基準適合証を交付する指定整備事業者③による一部作業の外注を認める。中間とりまとめでは「指定整備事業者③から必要な設備や機器を有する②に対して委託することも当面の間、可能にすることが望ましい」とした。ただし、すべて作業を②に外注することは認めない。

 認証取得工場①③から非認証工場④に外注する際の枠組みも新たに設けた。①③が作業責任を負い、記録簿の記載も行うことで、④を「①③の離れた作業場」と位置付ける。構内外注の扱いとし、電子制御装置整備を行えるようにする。ただし、①③が非認証工場にすべての作業を外注することはできない。

 「離れた作業場」は一定の要件を満たす場所を①③の同一事業場として認めるもの。認証工場から約1時間、約40㌔㍍以内にあり、事務所およびバンパーやガラスが交換できる作業場(現行の分解整備における車両置場を基本とした寸法)を持つことが要件となる。