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2019年11月21日

東海理化、電子ミラー高付加価値化へ カメラ画像組み合わせ より自然な視界狙う

画像合成による二重映りや消失、にじみなどをなくした(写真下)

一般的な電子ミラーは、車体後部に取り付けたカメラの映像をルームミラーに映す。東海理化は、車体側面のミラーも電子化し、合わせて三つのカメラから得られる映像を合成し、後方のより広い範囲を映し出せるようにした。映像を単純に合成すると映像が重なる部分が二重になったり、消えたりしてしまう。

同社は昨年9月に19・8%出資したベンチャー、カムイ・イノベーション(増田孝社長、札幌市中央区)の画像処理技術も使い、より自然で鮮明な後方映像を映し出す技術にめどをつけた。今後、量産開発に着手し、25年頃に自動車メーカーへの納入を目指す。

国土交通省は16年6月、乗用車向け後写鏡(バックミラー)の国際基準を導入し、車載カメラで後方を確認する「ミラーレス車」を解禁したが、コストが高いため採用車はレクサス「ES」など一部にとどまる。衝突被害軽減ブレーキなどと違い、同社は「電子ミラーは付加価値を上げなければ普及は難しい」(秋田俊樹技術開発センター長)と見ており、夜間や荒天時の視認性と合わせ、より確実に後方を確認できる性能を持たせることにした。各カメラから得られる映像から障害物や白線を認識して運転支援に活かす技術も開発し、電子ミラーの利点を最大化して普及を目指す考えだ。

日刊自動車新聞11月18日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

㈱東海理化

対象者 一般,自動車業界