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2019年11月19日

タイヤ4社1~9月期決算、製造コスト悪化し全社減益 為替も円高推移 通期予想を下方修正

国内タイヤメーカー4社の2019年1~9月決算は、全社の営業利益や事業利益(IFRS)が減益となった。世界経済の低迷でグローバルに販売数量の減少に伴う生産調整で製造コストが悪化した。為替も期初予想に比べて円高に推移したことで減益となった。こうした経済環境からの回復が見込めないことから、19年12月期業績予想は全社が下方修正した。

国内市場は年初が暖冬だったこともあり販売が低迷していたが、19年7~9月期に輸送費の高騰による値上げや消費増税前の駆け込み需要で販売が一時的に大幅に増加した。一方、海外市場はアジアや欧州などの低迷が目立ったが、北米ではSUVやピックアップトラック向けの販売が好調に推移した。

ブリヂストンは国内販売が好調だったものの、欧州の新車用タイヤや北米のトラック・バス用の市販タイヤに弱さが見られた。住友ゴム工業は欧州や米州で「ファルケン」ブランドの販売を伸ばした。トーヨータイヤは欧州の市販用タイヤが販売減となったが、北米でライトトラックやトラック・バス用タイヤが堅調に推移した。

19年12月期見通しは全社が下方修正した。米中貿易摩擦の影響でアジアを中心に経済が減速し、為替もユーロや新興国通貨などで円高に推移して業績のマイナス要因として大きく立ちはだかる。世界経済の低迷に伴う自動車生産台数の減少によるタイヤ需要の落ち込みも影響する。通期見通しの下方修正はブリヂストンとトーヨータイヤで今期2度目となる。

ブリヂストンは営業利益見通しを従来予想から450億円引き下げた前年同期比18・1%減の3300億円とした。住友ゴムは事業利益を従来予想比50億円減の500億円、横浜ゴムは事業利益を同75億円減の500億円、トーヨータイヤは営業利益を同20億円減の380億円に修正。全社の通期見通しが前期比2桁減となるなど、先行きは厳しい状況が続きそうだ。

日刊自動車新聞11月15日掲載

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