2019年11月16日
メーカーの枠を超え水素ST、富山のディーラーが合同で開設 来年3月 地域単位でFCV普及へ
水素STの完成イメージ
自動車メーカーの枠を超えてディーラーが水素ステーション(ST)事業に取り組み始めた。
2020年3月に富山市内に新設される水素STは、富山トヨタ(品川祐一郎社長、富山市)やホンダ四輪販売北陸(川畑博士社長、石川県金沢市)といったディーラーが参画する。
メーカーが異なる販売店が水素STを共同で運営する全国初のケースになる。水素STは初期投資だけで数億円規模のコストがかかるため、中小企業単体での運営が難しいのが現状。メーカーや系列を問わずコンソーシアムを組むことで、地域単位で燃料電池車(FCV)普及を推し進める。
来年3月に新設する「水素ステーションとやま」は、富山水素エネルギー促進協議会(山口昌広代表理事)と日本水素ステーションネットワーク(JHyM、菅原英喜社長、東京都千代田区)が共同で整備する。協議会には現在、地元企業を中心に45会員が参画しており、富山トヨペット(木村正人社長、富山市)やホンダ自販タナカ(浅生忠和社長、富山市)を含むトヨタ系、ホンダ系ディーラー4社もメンバーに加わっている。
単独で水素STを立ち上げた広島トヨペット(古谷英明社長、広島市西区)や他社と合同会社を設立して運営する三重トヨタ(竹林憲明社長、三重県津市)のようにディーラーが水素ST事業に参入しているケースはほかにもあるが、複数のメーカー傘下にあるディーラーが共同で水素STを運営するのは「全国で初めてのケースになる」(JHyMの菅原社長)。
協議会は「メーカーや会社の枠にこだわらずに仲間を募るべき」(富山トヨタの品川社長)と考えており、メンバーにはディーラーのほか、ガス会社やガソリンスタンド、タクシー会社も名を連ねる。水素STは一般的に初期投資で約4億~5億円、運営費で年間3千万円ほどかかると言われている。協議会の山口代表理事は「10年で黒字化は難しい。20~30年先を見据えて取り組む」方針で、継続的な投資が求められる。ディーラーなど1社単体では難しいST運営を、地場企業同士でカバーする。
トヨタ自動車が来年末に新型「ミライ」の投入を控えているほか、商用車メーカーもFCトラックに注力している。グローバル規模で進む環境規制を背景にFCVの需要は長期的に伸びてくると見られており、地域が一体となって今から設備面の増強に取り組む考えだ。
日刊自動車新聞11月14日掲載
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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主催者 | 富山水素エネルギー促進協議会、日本水素ステーションネットワーク合同会社 協議会:地元企業を中心に45会員が参画、富山トヨペット、ホンダ自販タナカなじめトヨタ系、ホンダ系ディーラー4社 |
開催地 | 富山市 |
対象者 | キッズ・小学生,中高生,大学・専門学校,一般,自動車業界 |
リンクサイト | 日本水素ステーションネットワーク(JHyM)ホームページ https://www.jhym.co.jp/ |