会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2019年11月3日

盛岡市で「整備フェスタ」初開催 キッズメカニック体験や新技術など紹介

ディーラー26社と整備士養成施設が出展

岩手県盛岡市で、乗用車と大型車のディーラー26社と自動車整備士養成施設など5校が出展し、自動車整備士の魅力を伝えるイベント「自動車整備フェスタ2019」が、このほど2日間にわたり初開催された。

会場には、親子連れを中心に学生など約500人が来場した。部品や整備機器の展示、キッズメカニック体験、次世代車の技術紹介など多彩な企画を用意し、ディーラー各社の若手メカニックを中心に来場者への対応を担当した。

イベントを通じて、自動車整備士は社会に必要とされる重要な職種ということの理解促進に結びつけた。(東北支社・秋田憲作)

各社のエンジニアが勢ぞろいした

初開催の自動車整備フェスタは、岩手県自動車整備人材確保・育成連絡会が主体となり、開催事務局は岩手県立宮古高等技術専門校(多田誠校長)が務めた。岩手県は、自動車関連産業の事業拡大や半導体企業の新規進出などにより、高校卒業者の求人倍率は高水準で推移している。自動車整備士を養成する岩手県立高等技術専門校3校(千厩・宮古・二戸)の入校生数は、総定員数に対して減少傾向にある。

EVキットカーを使ったキッズエンジニア   コーナーも人気

人材確保が難しい状況のなか、車の電動化や衝突回避支援システムなど搭載する技術の高度化により、整備士の役割が重要となっている。また、職場環境や業務を省力化する機器の充実など、整備士の業務内容も変わってきた。フェスタは、高校生や中学生から小学生などを子に持つ親の世代まで、広く整備士の社会的役割の重要性やイメージのさらなる向上を伝えること目的に、開催された。会場には、岩手県自動車整備振興会の千葉泰会長と岩手運輸支局の髙瀬福也支局長をはじめ、ディーラー代表者や関係者、各社のメカニックらが勢ぞろいした。

初日の開催前に、育成連絡会の事務局を務める岩手整振の千葉会長が挨拶に立った。千葉会長は「車は、人々の生活の支えになっている。フェスタは車の新技術を伝える良い機会で、整備士は安全安心を提供する社会的貢献度の高い仕事ということを伝えてもらいたい」と話した。髙瀬支局長は「整備士が高度な知識で安全と安心を支える貢献度や、仕事の面白さややりがいを伝えてほしい」と述べた。

オープニングイベントとして、出展したディーラー26社の若手メカニックが各社や各チャネルオリジナルのエンジニア服で登場した。会場の都合上、車の展示はできなかったが、二輪車やエンジン、タイヤなどの部品や内装部品などを展示した。さらに、各社は趣向を凝らした展示を用意して来場者の関心を誘った。各社のメカニックたちは、来場者に向けて展示している部品や仕事内容の説明、整備で使用する外部故障診断機(スキャンツール)や省力化機器などの実演などを行うとともに、実際に仕事を体験してもらった。

育成連絡会や整備士養成施設の紹介コーナーも設けた

出展者同士、メーカー間を超えてメカニックが交流する姿も印象的だった。 キッズメカニックコーナーでは、一関工業高等専門学校がEVキットカー「ピウス」を用意した。子どもたちは、ディーラー各社がそろえたキッズ用エンジニア服に着替えて、学生のアドバイスをもとにハンドツールを手にタイヤの脱着などを体験。多くの親子連れが注目して人気を博していた。

フェスタについて多田校長は「引き続き、中学生や高校生、学校の先生にも、整備士の仕事について理解してもらいたい。今後も、整備士の魅力をアピールする活動を継続していきたい」と話していた。

自動車整備人材確保・育成連絡会が主催し、各社・各団体が協力する大型イベントは、全国でも例が少ないと見られる。人材確保難が深刻化するなか、来場者と年齢が近い若手メカニックとコミュニケーションを図ることで、将来の整備業界を担う人材が誕生することを期待したい。

日刊自動車新聞10月31日掲載

 

カテゴリー 展示会・講演会
主催者

岩手県自動車整備人材確保・育成連絡会、開催事務局:岩手県立宮古高等技術専門校

協力:乗用車・大型車ディーラー26社、自動車整備士養成施設など5校

開催地 岩手県盛岡市
対象者 キッズ・小学生,中高生,大学・専門学校,一般,自動車業界