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2019年11月1日

自動車アセス安全評価/車同士の衝突試験導入へ/国交省とNASVA 事故に近い状況再現

国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)は、自動車アセスメント(JNCAP)の衝突安全評価で、2台の車を正面衝突させて乗員の保護性能を確かめる新たな試験方法の導入に向けた検討を2020年度から始める。

現在の前面衝突試験は、コンクリートの障壁に車をぶつける手法でテストしているが、車同士を走らせ衝突させることで、実際の事故に近い状況で乗員の保護性能を評価できる。23年度から評価を開始する方針だ。

国交省とNASVAが実施している自動車の安全性能評価(自動車アセスメント)のうち、衝突安全は1995年度から実施している。前方に設置したバリアに向けて車を衝突させ、車内の人体ダミーの状態から乗員へのダメージを評価する。

新たに導入を検討するのは、障壁から動く車(バリア付台車)に変更して試験車と正面衝突させる試験方法。運転席側の一部を衝突させる「オフセット前面衝突試験」により、事故を回避するために運転者がハンドルを切る場面をイメージして試験を行う。

欧州の自動車安全テストのユーロNCAPでは、先行して20年から同試験を導入する予定だ。
JNCAPでも23年度からの評価開始に向けて、来年度から調査を始める。日本の事故事例などを調べながら、順次、試験や評価方法などを詰める。また、テストに使用する人体ダミーの仕様なども検討する。

乗員保護を目的とした前面衝突の新たな試験方法の導入に当たっては、現在実施している試験項目と置き換えができるかどうかを検討する。調査を進める中で、現在のオフセット試験との代替が可能かも議論する。

日刊自動車新聞10月29日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省、自動車事故対策機構

対象者 自動車業界