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自動車産業インフォメーション

2019年10月28日

東京モーターショー プレスブリーフィングから(Ⅲ)

【ブリヂストン】 新素材サシムの活用や価値を創造したい

ブリヂストン 田村康之執行役員先端技術担当

イノベーションはブリヂストンのDNAとして受け継がれてきた。現在のタイヤは単純なゴムの技術ではなく、多くの技術が詰まっている。その中でも高分子複合体では突出した技術を持つ。自動車産業の変革は車にとどまらず社会全体を変える。ただ、従来技術のままでは変革に対応するのは難しく、さらなる技術革新が必要になった。そこで、ブリヂストンはゴムと樹脂を分子で結合させた革新的な「サシム」を手に入れた。従来素材の性能をはるかに超えたユニークな特性を持つ。可能性はまだ未知数で、多くの人たちとともに活用法や価値を創造していきたい。

 

【住友ゴム】 タイヤに求められる価値も再定義の必要

住友ゴム工業 山本 悟社長

長期ビジョン2020で真のグローバルプレーヤーとなるべくまい進してきた。事業面は新市場に挑戦してグローバルに製造・販売拠点を整備し、技術面は技術革新で時代に先駆ける商品開発を行ってきた。近年は環境問題に対応し、石油外資源タイヤを発売し課題解決に取り組んだ。現在の自動車産業は変革期を迎え、車と人の関わりや車自体の価値観が変わり、タイヤに求められる価値も再定義する必要がある。自動運転に対応したタイヤ、ソリューションの提供や、ライフサイクルアセスメントでは民間企業や自治体のエコシステムと連携を進めていく。

 

【横浜ゴム】 タイヤに関する困りごとから解放を目指す

横浜ゴム 野呂政樹取締役常務執行役員技術統括

横浜ゴムはカーライフをもう一度、楽しいものとして捉えてもらえるタイヤづくりを進めている。悪天候でも出かけることをためらわない安全なタイヤ、趣味をより楽しめるタイヤの開発や環境に良いタイヤでモビリティの持続可能性を広げ、タイヤに関する困りごとをなくしてドライバーに快適なカーライフを提供している。ただ、自動車業界はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の進展でタイヤに求められる快適性の意味合いが変化した。そのため、横浜ゴムでは静粛性や乗り心地だけではなく、ノーメンテナンスなどタイヤに関する困りごとからドライバーを解放する取り組みを加速させる。

 

【グッドイヤー】 軽さ、耐久性、静粛性などをアピール

グッドイヤー アジアパシフィック地区 ライアン・パターソン社長

自動車業界はもっと加速し、変化すると考えられる。FACE(フリート、自動運転、コネクテッド、電動化)が主な変化の軸になる。中でも電気自動車の分野はわれわれにとって最も大きな影響力があるだろう。今回の展示では、軽さ、耐久性、静粛性などをアピールする。電動車では車室内がより静かになるため、タイヤの静粛性も追求する必要がある。「オキシジェン」は光合成を行い、酸素を生み出す。「エアロ」はプロペラを使って車両を浮遊させることができる。今後、顧客との連携でグッドイヤーのブランドをより消費者に浸透させていく。

 

【コンチネンタルコーポレーション】 電動化へ柔軟に意思決定出来る体制構築

コンチネンタルコーポレーション ニコライ・セッツアー取締役

2030年のモビリティは、ロボタクシーといった自動運転技術や電動化、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)がトレンドになっているだろう。
それを見据え、来年はゴム関係のテクノロジーの開発、センサー技術の活用、パワートレーン事業の加速に注力する。中でも電動化は、事業部のスピンオフを決めており、もっと柔軟に意思決定を図れる体制を構築する。
自動運転の分野では、ナンバーを取得し日本でもコンセプトカーの実証実験を展開する。特に都市部や交差点にフォーカスしたデータ収集に取り組む。強い柱の一つに育て上げたい。

 

【クラリオン】 同乗者の環境を考えたコックピット設計

クラリオン 川端 敦社長

フォルシアクラリオングループの一員として今後、欧州や米国に参入していく。また、われわれの技術をフォルシアに埋め込んで新しい分野を獲得する。特にノイズのコントロールに注力する。車は本来ノイズが大きいが、電動化や自動化で静音性が求められる。運転手がハンズフリーの電話をしていれば、助手席の人にとってはそれがノイズになる。個々の空間を識別することで、運転者だけでなく同乗者の環境を考えたコックピット設計を行っていく。また、インテリアモニタリングシステムでは車室内外の状況をセンサーで把握し、快適性の向上、より早い危険の察知に役立てる。

 

【NTTドコモ】 パートナー企業と5G活用サービスを

NTTドコモ 中村武宏執行役員 5Gイノベーション推進室室長

ラグビーワールドカップの開催に合わせて5G(次世代移動通信システム)のプレ商用を開始した。2020年春の本格展開を予定している。そうした中でパートナー企業や団体と共創して、5Gを活用したサービスを効率的な創出に取り組んでいる。自動車業界ともサービスの創出に向けた取り組みを進めており、それらの成果は産業全体への貢献や社会課題の解決でも非常に重要なことだと捉えている。安心や安全では5Gを使用した車の遠隔運転技術があり、快適な車内空間ではスマートフォンと車の連携やコネクテッド技術、シームレスな移動では「dカーシェア」などを展開している。

 

【カーメイト】

カーメイト 徳田 勝社長

設立53年で初めて社長を交代した。当社の経営理念はCREATE(創造)。他に追従することなく、オリジナリティのある新しい商品を作る意欲を表したもので、設立当初から変わっていない。これまでは「安全なモノづくり」を重視してきたが、自動車産業が100年に一度の大変革期を迎える中、新たな理念として「未来に向けた信頼品質でeモノづくり」を掲げた。自分たちが将来を創造することを念頭に置いている。eモノづくりという言葉にはハードウェアが中心だった商品づくりにソフトウェア技術を強化して融合するという意味を込めた。eは電気のエレクトロニック、環境のエンバイロンメント、拡張のエクステンドだ。

日刊自動車新聞10月25日掲載

 

 

開催日 2019年10月24日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

日本自動車工業会

対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界