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2019年10月27日

名古屋大や豊田合成、GaNパワー半導体採用したEV用インバーター開発

名古屋大学や豊田合成などは23日、次世代パワー半導体の素材として注目が集まる窒化ガリウム(GaN)を使った電気自動車(EV)用インバーターを開発し、世界で初めてEVを走らせることに成功したと発表した。2025年頃の実用化を見込む。

パワー半導体は、大きな電圧や電流を扱ったり、周波数などを変える電子部品。現在主力のシリコン(Si)半導体の性能が限界に近づいたため、次世代型としてGaN半導体の開発が活発になった。

環境省の委託を受け、名大のほか豊田合成、パナソニックなどがEV用インバーターに応用した。これまでGaN半導体を使ったインバーターの出力は数㌔㍗にとどまっていたが、今回、スイッチング速度の速いGaNトランジスタを並列につなぎ、出力を20㌔㍗に高めることに成功した。

GaNインバーターは現行製品に比べ電力変換時の損失を2割以上減らすことができる。EVに使用した場合、航続距離の延長や電池の小型化といった利点が見込める。

環境省は引き続き、GaNパワー半導体の開発や実装を支援するとともに、今後は量産手法などの開発にも新たに取り組み、25年頃の実用化を目指す。

日刊自動車新聞10月24日掲載

開催日 2019年10月23日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

名古屋大学、豊田合成㈱

対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界